元自衛官の時想( ３４ ) テレビ視聴とＢＳ二ュ－ス・情報番組

１．毎日の生活に占めるテレビ視聴

　年金生活の自由の身であることから、毎日の生活の過ごし方は、一定ではないが、外でのシニアクラブ、花の会諸活動のほかに、テレビを見る機会は多い。各人にとってどんな内容の番組を見ようが自由である。それぞれの考えで番組を楽しんでいるからである。そこに上下はないと思う。

高齢社会で話題になるのは、「テレビの子守をするな」ということが言われている。朝から寝るまでテレビを観て、外に出ないで一日を過ごす高齢者を戒めた言葉であろうか。これはじっとして体を動かさないと健康によくないよとのアドバイスであり、テレビを観ながらでもロコモなどの運動をすることが出来る。人さまざまでどのように過ごすかはその人の選択ではなかろうか。

　私は、毎朝、新聞のテレビ番組を見て、大体の方向を決めることにしている。演歌好き、旅もの好き、韓流好きであるが、テレビの中で最も関心のあるのは、二ュ－ス番組である。世間の注目を集めている二ュ－スを中心としたものは、昼の部と夜の部で仕分けすると、どちらかというと夜の部の方を見る回数と時間が多い。

昼間の部は総花的で一般向けに取り扱っているが、夜の部は特定した主題に対して、政治・軍事・外交・経済・社会文化等について調査・研究・運用した豊富な知識経験を持つ専門家の立場からの所見が多く、主題についての核心・本質を突くものがあるからであろうか。

２．二ュ－ス・話題の分析検討と資料の整理破棄

　従前、航空自衛官現職時代を含めて70歳代までは、二ュ－ス・情報を項目別にまとめて、切り抜きをして自分なりに整理分析したりしてきたが、80歳代に入ってからは、終活を目指し、できる限り資料等をため込まず、整理破棄することに努めている。過去の資料等はかなり整理破棄したが、書籍などはまだまだ未整理が多い。

　家人たちは、最後は残された家族が整理しなければならないから、元気なうちに全部を整理破棄してくれてと言っている。あの世には持っていけないし、なかなか活用することはないことはわかっているが、頭の片隅にまだ愛着があって、これではいけないと思いながらも、全部は捨てきれずにいる。身体かしっかりしているうちに処理することになるであろう。

３．テ－マ別の総合的・多角的な視点からの二ュ－ス番組

❶　夜のＢＳ二ュ－ス番組と総合的・多角的な視点

　テレビの二ュ－ス・情報番組に限ると、昼間の知名度のある芸能人等を始めとするコメンテ－タを囲んだ世間の興味・関心のある話題を中心とした面白おかしく的に切り込んでいく二ュ－ス番組より、夜９時以降のＢＳのテ－マ別の総合的・多角的な視点からの二ュ－ス番組を見ることが多い。

❷　二ュ－ス・情報の核心と分析の論拠

　私が知りたいのは、二ュ－ス・情報の背景にある総合的な分析・評価結果とその論拠である。それにはその分野の複数以上の専門家の立場から見た、分析検討・評価の所見を聞くことから始まる。それをうのみにするのではなく、これらを参考にして、論者の見方、考察内容などを比較することが出来、さらに自分の頭で再考察することが出来るからだ。

　よく視聴するのは、主としてＢＳ二ュ－スであり、観ることが出来ないときには録画を予約して、後で観ることにしている。このＢＳ放送界も、夜の９時から１２時までの時間帯は競争が激戦のようであるが、内容の良いものができれば、視聴者にとっては選択肢の幅があり嬉しいことである。

　8時からのＢＳフジ「プライム二ュ－ス」、9時からのＢＳ11イレブン「報道ライブ」、10時からのＢＳ日テレ「深層二ュ－ス」、ＢＳジャパン「プラス10」、ＮＨＫＢＳ第１「国際報道」とBS朝日「日曜スクープ」などである。

❷　安全保障、軍事に関する専門家の所見

　安全保障、軍事にかかわる事柄は、35年余の自衛官の知識経験から多少、専門的な基盤があるので、さらに掘り下げた分析結果と所見に注目することにしている。経済等の分野については識見を高め、社会情勢を見つめるうえで役立っている。

　その点では、元自衛隊高級幹部がテレビに登場して、核心を突いた論調・所見を披歴していることに心強く思っている。元自衛隊高級幹部は、最高の幕僚監部及び作戦司令部で、実任務に関して情報収集・分析・評価、部隊運用、指揮統率、調査研究等に従事してきた経験豊富な専門家であり、退官後もそれぞれの立場で調査研究していることは敬服する。その論評は貴重であろう。

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