自動車保険料率算定会の思い出(5)! 調査事務所長の役割!

 調査事務所長に就いて、最大の職務は事務所の円滑な運営にあるが、日々の業務処理は課長がしっかりと処理してくれるので、問題が生じたときにのみ先頭に立って解決に当たった。
 したがって、事務所運営のかじ取りと対外的なことに重点を置いて活動した。

1 朝の指示・打ち合わせ・業務開始を確認してから、時間の許す限り自算会の調査事務所代表として立場で、関係先へ出向き、事務所の業務処理がスム−ズにいくよう相互の信頼と関係強化を図ることに心がけた。
 本当に頻繁に出かけて行ったので相手方とは通り一遍の関係でなく、顔馴染みとなり意思疎通がうまくいったようだ。遠出をしても夕方までには事務所に帰って業務処理状況が確認できるように努めた。
 どこに行っても受付の皆さんが、顔を見せるとすぐに案内してくれるのはありがたかった。当方の状況を申し上げるとともに相手方から忌憚のない意見・要望を聴くことができた。

 しばしばお邪魔していると、相手方の全体の雰囲気を始め表敬訪問程度では感得しえないものを把握することができた。見えなかったものが見えるようになり、実に充実した一期一会のひとときでもあった。

2 「自賠責保険の公正な処理」の観点から、保険会社の担当者を対象にした勉強会を毎月調査事務所で開催し、事案処理の適正・円滑かつ迅速な処理に資することに努めた。
 講師には課長、適任の所員を交代で指名し教育を担当させた。また、新しい試みとして、保険会社の計画する勉強会にも、積極的に講師として事務所のチ−ムを派遣し先方のレベル向上はもとより両者の良好な関係に資することができた。

 保険会社の自賠責保険に関する知識技能が向上すれば、結果的に調査事務所の適正な業務処理に結びつくとの確信であった。調査事務所の担当者にとっては、事前の準備も必要で負担も大きかったが、所員個々および事務所全体の能力の向上に大きな影響を与えた。

3 所長として、県公安委員会の委嘱を受けて、安全運転管理者講習の講師を始めとして、自賠責保険にかかわる講演会・講習会には積極的に出かけて講師を務めた。
 自算会・調査事務所の役割および自賠責保険について、具体的な事例を挙げて説明し、自動車事故、特に被害者の救済を最も重視して周知に努めた。
 事前認定制度、政府保障事業などの推進も大きな仕事であった。

 3年間の静岡調査事務所長としての勤務は、新しいことへの挑戦であり、やりがいのある仕事であった。足らざるところだらけであったが、信念を持って自分なりにやることができた。
 「人生いたるところに青山あり」だ。思い出も多い。

 平成12年4月、静岡の任を終えて、再び浜松調査事務所へ所長として帰る。1年の勤務の後、自算会を退職し、平成13年4月、日本損害保険協会静岡支部浜松自動車保険請求相談センタ−所長へ就くことになった。