1.防潮堤建設の起爆薬となった一条工務店300億円の原資
3.11の東日本大震災による想像を絶する大津波の教訓から浜松市沿岸域の壮大な防潮堤が進められることになった。大津波対策の一つとして浜松市における防潮堤建設の起爆薬となったものは、何と言っても一条工務店の300億円の寄付であろう。これを原資にして、 静岡県/浜松市沿岸域防潮堤整備事業が進められることになった。
一条工務店の300億円の寄付金、これだけの思い切った発想と金額はどこからでてきたのであろうか。高額な寄付は、社会への貢献を主軸とした一条工務店の社是と社長を中核とする首脳陣の確固たる経営方針からくるものであろうか。当時、その報道に驚き、なかなかできることではないと思ったものであった。昨今の一流といわれる企業の脱税・虚偽・手抜き・談合などが報じられ社会的な使命が問われていることと併せて考えるときその重みを改めて知り、さわやかさを感じたものである。
2. 静岡県/浜松市遠州灘防潮堤の概要 (静岡県浜松土木事務所ホ-ムベ-ジ 出典)
❶ 背景
東日本大震災による被害を受け、甚大な津波被害が想定される南海トラフ巨大地震に備え、2012年6月に静岡県・浜松市・一条工務店は300億円の寄付金を原資に、浜名湖から天竜川河口までの約17.5kmにかけて、県が防潮堤を整備することで基本合意しました。
❷ 基本的な考え方
早期完了を目指し、官地内ルートを基本とします。
・南海トラフ巨大地震(レベル2の地震)の想定や、安政東海地震等(レベル1の地震)をモデルにしたシミュレーションにより、防潮堤の規模や構造を検討します。
・貴重な動植物(アカウミガメ)や侵食が進む砂浜の保全、景観や利用面に配慮し、海岸防災林の嵩上げを基本とします。
・津波だけでなく、波浪や高潮に対する安全性を確保するとともに防潮堤に樹木を植栽し、海岸防災林機能の維持向上を図ります。
❸ 防潮堤の工事進捗状況
《 防潮堤の工事進捗状況がよくわかり、興味深く読んだ。》
3. 防潮堤
❶ 工事の完成した防潮堤(下から見上げた)
《 防潮堤を下から見上げた。》
❷ 中田島砂丘付近の防潮堤整備の掲示
《 防潮堤による被害軽減の効果や工事完成後のイメ-ジ、景観や環境への配慮などが記されていた。》
4.防潮堤についての感想
静岡県/浜松市沿岸域防潮堤整備事業については、その策定から実施に至るまで一大事業であることを再認識した。すでに完成した防潮堤の現場に立って、この事業が着実に進捗しており安心した。英知を集結した対処策が、必ずや予測される大地震と大津波からの被害減災に効果を発揮してもらいたいものだ。防潮堤の整備が、何よりも平時の生活の安心安全につながる効果は絶大なものがあるであろう。