神原町花の会(花美原会)(256) ポピーの整理と畑の土起こし

 昨日6月4日(日曜日)、午前8時から花協同活動を12名で行い、1時間程度でポピー畑の整理を完了した。これに先立ち、5月31日をもって多くの皆様に訪れていただいたポピーの花摘みは無事に終了した。

 昨日はお天気に恵まれ、気温も上がったが幸い風もあり、それほど暑いとは感じられなかった。今後数回、土お越しを行いコスモスの種まきを行うことになる。

1.ポピー整理

   ポピ-の整理は手抜きである。一本一本を抜くのは大変ではあるが、急がば回れで、このやりかたが一番である。 取り払った後は綺麗にさっぱりとする。住宅地における花畑はまず外見上も環境美化に資することが求められており、ポピー整理はその役割を果たすことができることになる。

2.土起こし

 ポピーの整理後に、耕運機で、土起こし等による土壌改良の作業を実施した。

 花畑は、コスモス花の花摘みなどで多数の方が訪れ畑のカナは岩盤のように固まってしまったが、耕運機で土お越しを行い元の土壌へ回復するための作業を開始した。この作業は、土壌改良ととともに雑草発生の未然防止に有効な作業である。

    その成果は、種まきの準備期間にどれだけ、耕運機を動かして土お越しを行うかにかかっている。このため適当な日数を置いて土お越しを行うことになる。何事もそうであるが、基礎となる土起こしの下準備をしっかりやることであろう。  

3.  花畑の養生

     次のコスモスの種まきまでに、しばらく花畑を休ませる。土地も植物もその役目を果たしたら、暫く休息をさせることが必要である。人間と同じである。

    肥料などを与える事も必要だ。与え過ぎてもいけないし、手加減が難しい。これらは経験から推し量ることになる。

    次のコスモスは大きくしすぎると後始末が大変であるから今回は、苦土石灰の散布程度にすることにしている。

    植物は自然の中で育つため、人知の及ばないことが多いが、過去の教訓やノウハウを  いかに有効に活かすかも大事な事柄の一つといえよう。 

 

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《 一歩一本丁寧にポピーを根気よく引き抜く作業である。世間話をしながら集団で行えば、効率的に作業がが進んでいった。》

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《 ポピーを撤去した後は、石ころを拾って終了した。耕運機で何回も花畑を耕すとと元の畑にかえってくる。 》

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《 千鳥草を前に記念撮影、午前8時に作業開始し、1時間20分後の9時20分にはポピー整理を終えて解散し、耕運機による土返しの個別作業に移行した。》

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《 耕運機で耕した花畑、草一本ない状態にように土お越しをしたが、土は固く、降雨後に数回耕す必要がある。》

82歳老いる雑感(20) 「キョウイク」に恵まれたしあわせもの

    後期高齢者の世界では、ボケ防止には「キョウイク」が大事だといわれている。これは、この歳になって知識・教養を高めるとかの「教育」ではなく、何をしてよいか分からない、やることがないといった事ではなく「今日行く」ところがあることが大事たということである。その点、今日行くところが、ほどほどにあるので、幸せ者といえるかもしれない。

  一週間の中で月曜日、火曜日と金曜日は結構忙しい。不思議と色々な行事日程と重なることがあるからだ。月曜日は「月曜会」と称して、シニアクラブのグラウンドゴルフと月一回の定例会、火曜日はカラオケクラブの練習日、金曜日は「金曜会」と称して、シニアクラブのロコモとクラブ活動などの他、毎月、写真同好会、パソコン同好会と花いっぱい運動など各種の活動に参加している。書き出したらキリがない。

 家人からは、行くところがちょっと多すぎるのではないかと小言をもらっているが、これも元気でいる証であり、そのうち、自然に減っていくから心配することないと言っている。

 後期高齢者にとって、ましてや80歳以上となると、どんな過ごし方がよくて、どんな過ごし方が悪いなど、世に定められた基準があるわけではない。自分が今日一日良い日が過ごせたと感じる過ごし方が一番ではなかろうか。

 他人様にどうのこうのといわれる筋合いもなければ、言うこともない。自分がよいと思った事を選択し、幸せだと感じて過ごせる日々があればこれまさに至福といえるであろう。

昭和の航空自衛隊の思い出(428) 指揮統率と宮下語録(4)

❶   航空自衛隊における語録

    昭和29(1954)年に創設された航空自衛隊は、精鋭の部隊が空の守りを完遂している。この間幾多の先人たちが、厳しい任務遂行の中から指揮官、指揮統率、幕僚勤務、隊員指導などに関する名言、教訓、示唆に富んだ言葉が生まれ残されている。

    航空自衛隊入隊の昭和30年から昭和の時代において、語録といえば、創設期の第2代航空総隊司令官島田航一空将(海兵太平55期・海大)の「幕僚準則」及び第10代航空総隊司令官鏑木健夫空将(陸士51期)の「鏑木監察」に関連する「特命総合観察における鏑木語録」が有名である。

 その細部は、2015-08-09昭和の航空自衛隊の思い出(165)「島田航一元総隊司令官の幕僚準則」及び、2016-01-10昭和の航空自衛隊の思い出(225)「鏑木健夫空将と鏑木語録」において取り上げたので省略する。

これらは、指揮要綱、指揮幕僚、業務管理などの教範に記述された原理原則の内容をベースに、実任務遂行における経験から生まれた具体的な行動の規範を示したもので、それぞれが現実的な指標となるものであろう。   

     昭和の時代、創設期の航空自衛隊の各級部隊指揮官及び幕僚が、会議、講話や部下指導などで発せられた語録的なものは、収録できないほどあるものと思われる。

 かって私の上司が熱誠を込めて話した、経験談・失敗談などの講話のメモなどは日記や資料の形で残してきた。また、私自身も教育等における講話の中で「人事業務の実践アドバス」や「上司の期待する先任空曹5章」などを残してきたことがある。

2016-03-01  昭和の航空自衛隊の思い出(249) 人事業務実践アドバイス(1) 

2016-03-14 昭和の航空自衛隊の思い出(258) 上司の望む先任空曹5章(1)

 

    これらの発信は、すべからく、部隊任務の遂行や部下隊員の資質能力の向上と発揮を期待したものであった。たぶん先輩や先人たちも同じ思いではなかったのではなかろうか。 

  宮下語録

 空幕人事課人事課に勤務した当時、特に印象に残ったものでは、空幕人事教育部長に就任された宮下裕将補(防大3期)の「宮下語録」であった。宮下部長は、私が西警団司令部人事部長の時、同じ春日基地で第2高射群司令として俊腕を振るっておられた。

    「宮下語録」は、宮下将補が、前任地の西空隷下の第2高射群司令として勤務されたとき、折々に発言されたものを群本部の幕僚がまとめたものである。特にタイブにしたものではなく、幕僚が書き留めたものと思われる。

    宮下語録は300項にわたるもので、その都度のものを、時系列的に収録したものと思われる。航空自衛隊の指揮官と指揮統率、部隊と部隊運営、部下隊員と指導というものを簡潔な言葉で現わしているのでその一部を取り上げてみた。

    幕僚がしたためたものなので、表現など至らない点があるかもしれないが、当時の時代背景を踏まえながら、文章の末節にとらわれず、本質はどこにあるのかという態度で読み取ると時代を越えて、貴重な示唆と教訓とすべき点が多いと思われる。

 宮下空幕人事教育部長は、その後、西部航空方面隊司令官、統合幕僚会議事務局長、次いで航空総隊司令官を歴任退して退官、しばらくして、故郷の香川県善通寺市長として、平成6年(1994)年~22(2010)年・4期16年にわたって市民本位で職員削減や財政健全化を進め活躍された。27年逝去された。ご冥福をお祈りいたします。

 各項目と順序は、私が勝手に整理したものである。 

 

13.安全管理

〇 ミサイル安全は、部隊の命脈である。

〇 ミサイル安全点検の実態をよく把握せよ。

〇 安全の項目がいろいろな中に入っていることが大切である。

〇 安全は指揮官の機能の一つである。

〇 安全指導は厳しくやるべきである。

〇 安全は根気よく、しっこく指導することである。

〇 安全についていろいろやってきたが、結論はこれしかない。

  ・厳しく指導する。

  ・心を鬼にする。

〇 ミサイル安全の原点は、現場いにいる一人一人と機材にある。

〇 規則を定めているから安全だと思ってはならない。 

 

14.規律違反、事故防止

〇 絶対に事故を起こしてはならぬ時期がある。

〇 ものが言える気風を作り事故を防止せよ。

〇 官用車事故は絶対に起こすな。

〇 事故とか違反がないという結果が大切である。

〇 速度違反に関する甘い考えには迎合しない。

〇 法令を遵守することは、安全運転の基本動作である。

〇 法令を遵守できないものは、自衛官として不適である。

〇 空自の隊務の足を引っ張るのは、速度違反と飲酒運転事故である。

〇 事故を起こしたものを悪者にし、他は善い人間になってしまう。自分はどうしているかと反省すべきである。

〇 車を持たせて指導する。その熱意が大切である。

〇 事故を隠したために、「更迭」されることが最も恥ずかしいことである。

  

15.事故対応と報告

〇 車を持たなければ事故は起きないという考え方は誤りである。

〇 部外とのかかわりのある事故は、速やかに報告し、上下一体となって処置することが大切である。

〇 事故は、是々非の判断をし、善いものは善い、悪いものは悪いとはっきりすべきである。

〇 事故やトラブルは、かくしだてをしないことが大切であり、合理的に処理すべきである。

〇 事故があった場合、内々に隠密裏にやろうと考えないことである。

〇 交通事故の場合、担当者は現場に飛べ。

〇 夜も遅いから翌朝、事実を把握しようという考え方は甘い。

 

16.要人警護

〇 要人警護は部隊長の責任である。

〇 部隊に要人警護の基本的発想が必要である。

〇 vipの部隊視察は、要人警護の良い訓練の場である。

 

17.機動

〇 機動は、独立分屯基地の機能をもって、機動先基地の足手まといにならないことである。

〇 1基地1分任、1基地1食堂では有事に困る。

〇 機動に関し従来の考え方を廃し、戦力発揮のための自由な発想が必要である。

 

18.不測事態

〇 不測事態では大切なことは

 ・情報が的確に指揮官に届くこと。 (指揮官同士の命令支持の伝達)

 ・対処するのは人間である。(作業員を出すような命令の出し方は駄目)

 ・まず編組すること。(誰の下に何名、指揮官を決めること)

 ・各人がベストの方法を考えること。(現場の指揮官が指揮しないと動かない、みん

  なで考えて行動すること。人間が部隊行動活動に埋もれては駄目)

〇 不測事態では何が重要か判断することが大切である。

〇 不測の事態には、最悪の事態を考えて万全の準備をすることである。

〇 不測の事態は、事実関係を幕まで報告し、上級司令部、幕の指導を仰ぐことである。

 

19.有事

〇 有事をもって基本なす。

〇 刀を抜いて「ヤ-ヤ-」とやるのが実戦と考えてはいけない。

〇 有事に目標像を備えて踏まえ、現状から何を向上し、何を訓練しなければならないか考えておくことが大切である。

 〇 不可能なことを可能にすることが大切である。

〇 我々は、戦いに出ることは少ないと思うが、有事に役立つ視点で物事を考え、有事に役立つ隊員を育てるということを後輩に継いで行くことがでなければならない。

〇 我々は、一人一人が戦う戦士でなければならない。

〇 我々は戦いのプロであるべきである。

〇 軍人は物や金のためには死ねない。

〇 自衛隊の平時の指揮、マネ-ジメントは簡単で、有事は難しい。

                                                                                               (結)

 

 

 

 

 

神原町花の会(花美原会)(257) 神久呂地域と花畑

 神原町の花畑や健康広場は、平成9年に神原町誕生50周年を記念して、神原町自治会が制定した「神原町まちづくり構想」に基づき設けられたものである。10年に及ぶ地道な活動は、地域の一つの財産ともいえる存在となってきた。

 四季折々の花畑は、幼稚園や小学校の地域探訪地に数えられるようになり、地域の特色のある活動と認識されるようになったことはありがたいことである。

 6月1日中日新聞の地方版において、「私たちの学校」の特集・「浜松市神久呂小学校」でも、3年の白栁華月さんは、神久呂の大好きな場所として、神原町の「花畑」と「健康広場」を挙げて、次のような文章を書いている。

 神原町の「花と緑いっぱい区域」の花畑と花壇が、長年の実績により、地域の景観形成はもとより子供たちの育成に大きくかかわっていることを知り、活動の意義を改めて教えられる。

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《 平成29年6月1日中日新聞・地域版 、一面を利用しての「「私たちの学校」・「浜松市神久呂小学校」特集の切り抜き、子供たちが作ったもの 》 

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《 6月1日中日新聞の「私たちの学校」・「浜松市神久呂小学校」の特集の中で、3年生の白栁華月さんの「気持ちなごむ花いっぱい」の文章 》

昭和の航空自衛隊の思い出(427) 指揮統率と宮下語録(3)

❶   航空自衛隊における語録

    昭和29(1954)年に創設された航空自衛隊は、精鋭の部隊が空の守りを完遂している。この間幾多の先人たちが、厳しい任務遂行の中から指揮官、指揮統率、幕僚勤務、隊員指導などに関する名言、教訓、示唆に富んだ言葉が生まれ残されている。

    航空自衛隊入隊の昭和30年から昭和の時代において、語録といえば、創設期の第2代航空総隊司令官島田航一空将(海兵55期・海大)の「幕僚準則」及び第10代航空総隊司令官鏑木健夫空将(陸士51期)の「鏑木監察」に関連する「特命総合監察における鏑木語録」が有名である。

 その細部は、2015-08-09昭和の航空自衛隊の思い出(165)「島田航一元総隊司令官の幕僚準則」及び、2016-01-10昭和の航空自衛隊の思い出(225)「鏑木健夫空将と鏑木語録」において取り上げたので省略する。

   これらは、指揮要綱、指揮幕僚、業務管理などの教範に記述された原理原則の内容をベースに、実任務遂行における経験から生まれた具体的な行動の規範を示したもので、それぞれが現実的な指標となるものであろう。   

     昭和の時代、創設期の航空自衛隊の各級部隊指揮官及び幕僚が、会議、講話や部下指導などで発せられた語録的なものは、収録できないほどあるものと思われる。

 かって私の上司が熱誠を込めて話した、経験談・失敗談などの講話のメモなどは日記や資料の形で残してきた。また、私自身も教育等における講話の中で「人事業務の実践アドバス」や「上司の期待する先任空曹5章」などを残してきたことがある。

2016-03-01  昭和の航空自衛隊の思い出(249) 人事業務実践アドバイス(1) 

2016-03-14 昭和の航空自衛隊の思い出(258) 上司の望む先任空曹5章(1)

 

    これらの発信は、すべからく、部隊任務の遂行や部下隊員の資質能力の向上と発揮を期待したものであった。たぶん先輩や先人たちも同じ思いではなかったのではなかろうか。 

  宮下語録

 空幕人事課人事課に勤務した当時、特に印象に残ったものでは、空幕人事教育部長に就任された宮下裕将補(防大3期)の「宮下語録」であった。宮下部長は、私が西警団司令部人事部長の時、同じ春日基地で第2高射群司令として俊腕を振るっておられた。

    「宮下語録」は、宮下将補が、前任地の西空隷下の第2高射群司令として勤務されたとき、折々に発言されたものを群本部の幕僚がまとめたものである。特にタイブにしたものではなく、幕僚が書き留めたものと思われる。

    宮下語録は300項にわたるもので、その都度のものを、時系列的に収録したものと思われる。航空自衛隊の指揮官と指揮統率、部隊と部隊運営、部下隊員と指導というものを簡潔な言葉で現わしているのでその一部を取り上げてみた。

   幕僚がしたためたものなので、表現など至らない点があるかもしれないが、当時の時代背景を踏まえながら、文章の末節にとらわれず、本質はどこにあるのかという態度で読み取ると時代を越えて、貴重な示唆と教訓とすべき点が多いと思われる。

 宮下空幕人事教育部長は、その後、西部航空方面隊司令官、統合幕僚会議事務局長、次いで航空総隊司令官を歴任退して退官、しばらくして、故郷の香川県善通寺市長として、平成6年(1994)年~22(2010)年・4期16年にわたって市民本位で職員削減や財政健全化を進め活躍された。27年逝去された。ご冥福をお祈りいたします。

 各項目と順序は、私が勝手に整理したものである。

 

10. 部隊訓練及び訓練管理

〇 目標を見極め、現状を認識し、訓練の方法を決め、レベルを区分して訓練することが大切である。 

〇 ASP(年次射撃)訓練では、過去の減点事項を具体的に徹底して把握し、二度と同じ失敗をしない。

〇 訓練は厳しく身につくまでやる。厳しさは有事に役立つ。有事の頼りは平時の訓練である。

〇 高射隊は、戦力発揮の単一細胞で、その活動は軽快でなければならない。

〇 5年先、10年先の国の安全のために、地に着いた訓練をし、抑止力となる力を持つことが大切である。

〇 狙いとする練度があって、訓練回数がある。

〇 隊員をよく休ませてから訓練することが大切である。

〇 訓練の実施に当たっては、やり方を創意工夫し、自分の殻に閉じこもらないことである。

〇 訓練の成果を分析評価することが大切である。

〇 訓練管理のノウハウを整理することが大切である。

 

11.教育訓練

〇 人を育てるプロセスは、「知る」「教える」「励ます」「叱る」「ほめる」ことである。 

〇 個人の薫育に、テマ・ヒマをかける。そして後輩を育て次期世代を担う隊員を養成する。

〇 射撃は100mでやっているが、本来200mでやるべきである。いつの間にか射撃は100mでやるものだと思い込んでしまうことが恐ろしい。

〇 先ずほめよ、そして励ませ。

〇 厳しい訓練の中に、楽しみ、ばかになることが大切だ。 

〇 体育が訓練としての体育になっていない。

〇 空自は、見学者にものを見せる発想に陥りやすい。隊員の教育を見せることが大切で自分の隊員を自慢できる部隊であってほしい。

〇 野外訓練は、よく鍛えた、よく鍛えられたと感ずることが大切である。

〇 競技大会は、成果を問う一つの場である。競技大会が終わればすべて終わりでは駄目である。

〇 走ることで大事なのは、走ることの限界を知ることである。

〇 断郊競技は、走っている最中に優劣が分かるようにすることが大切である。

〇 訓練点検は、検閲に準ずるものであり、補佐官としての威厳と自覚をもってことにあたり、部隊には、平時の緊張感を醸成することが大切である。

〇 訓練点検は、保全を図り、あらかじめ問題を渡すとか、なあなあ点検にならぬよう注意し、部隊に状況を付与して能力を確認することが大切である。

〇 体力、気力の向上だけが訓練ではない、士気向上も大切である。

 

12.隊員指導、服務指導

〇 隊員指導は、薫育教導である。激励し、薫育し、自衛官に変身させる。

〇 血の通った指導が必要で、冷厳一徹では駄目である。

〇 若者は一度や二度の失敗があり、事故を起こすこともあるとの前提に立って隊員指導をする必要がある。

〇 若者はいいところや可愛いところがある。

〇 平時における武人の心構えの第一は、進んで指揮官の掌握下に入ることである。

〇 隊員の意識が管理する側、管理される側になっては進歩がない。

〇 指導は本人個人のためを思い指導していることをよく徹底せよ。

〇 人の悪口は言うな。

〇 生活指導には限界があり、本人の了解が必要である。

〇 本気で指導していないから、本気で叱れない。

〇 指導に不平等があってはいけない。

〇 隊員が後で振り返って本当に良かったと思えるようにしたい。自衛隊が負け犬的根性になっては駄目だ。

〇 隊員指導を片手間にやってはいけない。

〇 隊員をほめることが少ない。一人ほめれば10人働く。

〇 人は日によって心がコロコロと変わるところに問題がある。

〇 実態を知らず、思い込みで指導しないことである。

〇 借金は、病気である。

〇 服務指導の狙いは、事故防止でない。

〇 服務指導を一生懸命やっているので事故ははありませんというのはよくない。

〇 どうしてやる気を起こさせるか、幹部は関心を持つことが大切である。

〇 人に注目し、褒め、目的を与え、ほめられたことのない隊員をほめてやることが大切である。

〇 若者の二-ズを無視しない。

〇 隊員指導は、机上の指導になってはならない。

〇 隊員指導は、他人事、人様がやることになっていないか。

〇 自分の都合の良いように休みたいという若者の考え方がある。

〇 若者の本音を聞いてやることが大切だ。

〇 温情主義ばかりでは駄目である。

〇 退職隊員(任期満了)の心情を把握しないと隊員指導はできない。

〇 やめていく隊員の中に隊員指導のカギがある。

〇 どうやってよいか分からないときは、みんなで知恵を出し合って策を練ることが大切である。

〇 信頼されるまで、真剣に部下指導しているだろうか。

〇 服務の実態を知らないのは、幹部だけであるということは戒める必要がある。

〇 幹部は部下を、部下は幹部を信頼しない関係を作らないことである。

〇 若年者の失敗(事故)に際して、私が指導し立派に立ち直らせるという隊員が必要である。

〇 上下の信頼関係を裏切ったらきびしくやること。真剣に怒り指導する気迫が必要である。

〇 服務安全の指導は、きれいごとのみでは徹底しない。

 

 

昭和の航空自衛隊の思い出(426) 指揮統率と宮下語録(2)

❶   航空自衛隊における語録

    昭和29(1954)年に創設された航空自衛隊は、精鋭の部隊が空の守りを完遂している。この間幾多の先人たちが、厳しい任務遂行の中から指揮官、指揮統率、幕僚勤務、隊員指導などに関する名言、教訓、示唆に富んだ言葉が生まれ残されている。

    航空自衛隊入隊の昭和30年から昭和の時代において、語録といえば、創設期の第2代航空総隊司令官島田航一空将(海兵55期・海大)の「幕僚準則」及び第10代航空総隊司令官鏑木健夫空将(陸士51期)の「鏑木監察」に関連する「特命総合観察における鏑木語録」が有名である。

 その細部は、2015-08-09昭和の航空自衛隊の思い出(165)「島田航一元総隊司令官の幕僚準則」及び、2016-01-10昭和の航空自衛隊の思い出(225)「鏑木健夫空将と鏑木語録」において取り上げたので省略する。

    これらは、指揮要綱、指揮幕僚、業務管理などの教範に記述された原理原則の内容をベースに、実任務遂行における経験から生まれた具体的な行動の規範を示したもので、それぞれが現実的な指標となるものであろう。   

     昭和の時代、創設期の航空自衛隊の各級部隊指揮官及び幕僚が、会議、講話や部下指導などで発せられた語録的なものは、収録できないほどあるものと思われる。

 かって私の上司が熱誠を込めて話した、経験談・失敗談などの講話のメモなどは日記や資料の形で残してきた。また、私自身も教育等における講話の中で「人事業務の実践アドバス」や「上司の期待する先任空曹5章」などを残してきたことがある。

2016-03-01  昭和の航空自衛隊の思い出(249) 人事業務実践アドバイス(1) 

2016-03-14 昭和の航空自衛隊の思い出(258) 上司の望む先任空曹5章(1) 

    これらの発信は、すべからく、部隊任務の遂行や部下隊員の資質能力の向上と発揮を期待したものであった。たぶん先輩や先人たちも同じ思いではなかったのではなかろうか。 

  宮下語録

 空幕人事課人事課に勤務した当時、特に印象に残ったものでは、空幕人事教育部長に就任された宮下裕将補(防大3期)の「宮下語録」であった。宮下部長は、私が西警団司令部人事部長の時、同じ春日基地で第2高射群司令として俊腕を振るっておられた。

    「宮下語録」は、宮下将補が、前任地の西空隷下の第2高射群司令として勤務されたとき、折々に発言されたものを群本部の幕僚がまとめたものである。特にタイブにしたものではなく、幕僚が書き留めたものと思われる。

    宮下語録は300項にわたるもので、その都度のものを、時系列的に収録したものと思われる。航空自衛隊の指揮官と指揮統率、部隊と部隊運営、部下隊員と指導というものを簡潔な言葉で現わしているのでその一部を取り上げてみた。

   幕僚がしたためたものなので、表現など至らない点があるかもしれないが、当時の時代背景を踏まえながら、文章の末節にとらわれず、本質はどこにあるのかという態度で読み取ると時代を越えて、貴重な示唆と教訓とすべき点が多いと思われる。

 宮下空幕人事教育部長は、その後、西部航空方面隊司令官、統合幕僚会議事務局長、次いで航空総隊司令官を歴任して退官、しばらくして、故郷の香川県善通寺市長として、平成6年(1994)年~22(2010)年・4期16年にわたって市民本位で職員削減や財政健全化を進め活躍された。27年逝去された。ご冥福をお祈りいたします。

 各項目と順序は、私が勝手に整理したものである。

6. 指揮官・幹部

〇 幹部は部隊のマネ-ジゃ-であり、部隊を育成できなくてはならない。

〇 幹部は幹部らしく、現状を認識し、分析し、将来の方向を決定し、上級空曹に指示し、具体的にやらせる。

〇 上意下達、下意上達の気風を作れ

〇 指揮指導する者に、権限と責任を与えよ。 

〇 自分が責任を逃れるために厳しくやってはならない。

〇 意図の徹底は、口で言うほど簡単ではない。

〇 よく目的を知らせ内容を伝えないと意図は徹底しない。

〇 災害派遣が考えられれば、予め、偵察行動を起こすことはよい。

〇 目的をもって間髪を入れず、行動することが大切だ。そのためには権限と責任の範囲を知っておくことが大切である。

〇 トップは弁解するな 。

〇 命令を出せば部隊は動くと考えるのは、指揮官の錯覚である。

〇 部下指揮官に全指揮を任せのは有事である。

〇 隊長の仕事の8割は、人に関する施策である。

〇 指揮官の所在を明確にせよ。

〇 幹部は普段から覚悟を決めてかかれ。

〇 空自幹部には、決まったことはできるが、応用ができない傾向が出ている。

〇 幹部教育は、幹部の頭の体操が狙いである。 

〇 幹部の第一特技は、人をマネ-ジメントすること、隊員を教育することである。

〇 我々は評論家であってはならない。

〇 高射隊長は、飛行隊長と同様に戦闘指揮を執るべきで、基本的にはBOCであるべきである。

〇 口頭命令も命令であり、合法的なものは有効である。非合法的命令を部下に命ずることはもっともいけないことである。

〇 命令・指示の確認ができないような命令・指示は出さない方がよい。

〇 群司令のために仕事をするな、隊、群、航空自衛隊のために仕事をせよ。

〇 ASP(年次射撃)で優秀を取れないのは、幹部の責任である。

〇 幹部は転ばぬ先のことをもっと考えよ。

〇 若い幹部はビジョンを持て。

〇 幹部は、20年先のあるべき姿(代謝、処

    遇等)を考えないと社会から取り残される。 

7.幕僚及び幕僚業務

〇 幕僚は、命令、指示の根拠を自ら確認せ

    よ。

〇 幕僚は根拠がなければ根拠を作れ。

〇 幕僚は、自分の仕事のために、れい下部隊

   から報告を求めることは戒める必要がある。

〇 計画は、実施するのが人間であることを常に考えよ。

〇 計画は、人的要素が抜けてはならない。

〇 訓練計画は、目標があって計画を作るべきで、部隊の現状どうあるか認識し、理想像は何か、部隊の練度は、部隊の到達目標は何か、今何が必要か把握し計画を作ることが大切である。

 

8.指揮統率

〇 部隊の指揮、規律、団結の中心は幹部である。幹部が部隊の中核であるという気構えがないと部隊の活力がなくなる。

〇 正面ばかり目が向いていると後方の面倒を忘れる。

〇 指揮官は急を要するとき、間髪を入れず、的確な命令を出せ。理屈だけで兵を動かすな。

〇 兵は情によって動くことを知るべきである。

〇 機材は20年も同じである。人は生き物である。

〇 群全体で誰が、どこの部隊が、苦労しているか着目し、激励することが大切である。

〇 激励は電報でも可、人間は意気に感じて働くものである。

〇 年次射撃に行かない隊員(留守部隊)に目を向けよ。

〇 部隊が優秀な成果を上げるために、その舞台裏を支える心構え、気構えを持つ隊員が必要である。

〇 部下隊員は、部隊のために働かさねばならない。古来この人のためならば・・・とするのが統御の理想といわれたが、そんな指揮官はまずいない。

〇 指揮官は、その時の部下のために働かねばならない。

〇 指揮官は、部隊や部下を私物化したり、部隊に自分の趣味を持ち込むことは厳に戒めよ。

〇 和をもってまじめに職務を遂行せよ。

 

9. 隊務運営 

〇 隊務運営の中核は訓練である。

〇 有事に動ける部隊を平時に作ることが大切だ。

〇 日常の業務の中に実戦的体質の養成が必要である。

〇 部隊の全員が戦士であれ。

〇 部隊の業務を見直し、高率化、省力化、短縮化等の改善を図る必要がある。

〇 群司令は隊長に任せしすぎては改善はできない。

〇 あまり苦しい報告を求めるな。

〇 目的達成の障害に注目して、目的達成よりも目的を修正しようとする傾向があるので注意が必要である。

〇 平時は、目的を修正しても責任を問われないが、有事は許されない。 

〇 自衛隊は、営利企業でないので、やりやすいことをやったり過去やったことのあることをやりたがる。目的達成のためには、普段やらないことを考えることも大切である。

〇 入口の無駄は、無駄でない。

〇 長期ビジョンの必要な新しい計画の策定は関係者を集めて充分に読会せよ。

〇 隊員の意見、苦言は万金に値する。

〇 曹士の人異動は、移動先の戦力の向上及び本人の伸展が原則である。

〇 方針が示されれば、上から言われなくても具体的に着眼をもってやるべきである。

〇 MRの狙いは、指揮官と幕僚が同じ状況下にいて、同じことを知って、一緒に考えることにある。

〇 平時の隊務は、有事の戦力発揮を念頭に置き、一つ一つ具体的にやる必要がある。

〇 平時に甘えて、隊員を甘やかし、業務をしないことである。

〇 責任をもって人を見ることが大切である。

〇 人を中心、人を大事にする部隊運営

〇 努力の成果を公平に確認しないと、ノンプロになってしまう。

〇 部隊をやる気にさせるのが群本部の仕事である。

〇 待機だとか自分の特技に関するものが本来の仕事だと考えているが、これは仕事の一部でしか過ぎない。

〇 違反を誘発するような規則(守れない規則)はよくない。

〇 服務指導は、柔軟性と幅を持っ事が大切である。

〇 管理する側の立場だけでは服務指導はできない。 

 

 

 

82歳老いる雑感(19) 何事もほどほどが良い

   5月27日、久しぶりの2日間の雨が続いた後で朝から夕方まで快晴であった。午前中4時間ほど花畑の花壇部分の花期の過ぎた花木の整理と土起こしを行った。

    次の28日も同じように作業をし、合わせて6区画を整備した。次週、6月4日は、協同活動でポピー畑の整理を予定している。並行して6月上旬には花壇に花苗を移植する。

   2日間の作業で感じたことは、体力面からスコップと鍬をもっての肉体労働は、予想以上に体に応え、 結構疲れるものだと実感したことである。70代の時と80代では相当の差が出てきたようだ。

   普段の生活では、あまり感じなかったが、肉体労働をしてみると、自分の体力と持久力がかなり減退している事とどの程度まで作業ができるか限界を知ることができた。この頃は、半日仕事をして半日休むことを徹底しているので、両日とも午後のんびり横になって休んだ。疲れたら休む、休息が何よりも特効薬であるからだ。それにしても回復の度合いにもかなり差が出るようになった。

     また、反面、人間の身体は多少負荷をかけないといけないことがよく分かる。可愛がり、愛護し過ぎても身体が鈍る事もあるからだ。

    自分の身体のことは自分が一番よく分かることから、何事も「ほどほど」がよい。とりわけ、後期高齢者にとって、生活全般にわたって「ほどぼど」は実に良いことばである。

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《 5月28日準備完了、花壇は6月に新しい花苗を移植する。スコップでコツコツと土返しを行った。 》

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《 5月29日朝シニアクラブのグラウンドゴルフ、風がなく気温が上がったが、10名のうち4名ホ-ル・インワンが出て盛り上がった。Òさんは3回、Yさんは2回、私も1回、これには恵比須顔、元気回復の特効薬であった。 》