元自衛官の随想( 159) 地域社会における元自衛官の諸活動

 どの職業であっても同じかもしれないが、元自衛官の場合、曹以上の隊務を経験した者は、実任務、教育訓練を通じて、企画、調整、実施計画の作成、実施、反省教訓と改善を重ねて、的確な状況判断と決心、指揮管理能力と実務処理能力が向上するものである。言うなれば、総合的な実務処理能力を身につけることになる。

 実はこれが、退官後において、地域社会の活動において大いに役立つことになる。多くの場合、意外なことから頭角を表し、元自衛官の本領を発揮する機会が訪れることになる。

 こうした場面を幾多も見聞してきたので、わたくしは、今から30年前、隊友会浜松支部長に就任するや、主要事業計画に取り入れて、隊友一人ひとりが、地域社会で「一人一役」の活動を強調した。それぞれの置かれた環境や状況に応じて、どんな役割でも良いから地域社会に貢献する存在であることを訴えた。

 自分自身もその覚悟で、自治会、シニアクラブ、花の会などの活動に中心的役割を果たすべく精進してきた。こうしたことから、多くの隊友が自信を持って実力を発揮して、地域社会の各分野で活躍されたことは大いなる誇りでもある。

 先日、写真展の作品搬入・展示作業時、同じ3階の別室で開かれるチャーチル会絵画展の幹事長の隊友若杉幸助氏にばったり出会った。

 若杉氏は、私がバトンタッチした隊友会浜松支部長の大任を見事に果たされ、現在も地区協議会会長を務めておられる。趣味の絵の方でも、チャーチル会浜松幹事長として、長年にわたって会の運営の中核となって活躍しており、さすがであると敬服している。

 先日は、中日新聞記事でチャーチル会浜松第84回絵画展の活動が紹介された。