最近の各紙の浜松地方版に、空自第41教育飛行隊の美保基地から浜松基地への部隊移動が報じられるようになった。
先日は、浜松基地周辺の自治会を通じて、次のような防衛省の文書「航空自衛隊美保基地から浜松基地への第41教育飛行隊の移動について」が各家庭に回覧された。
数年前には地域の自治会及び住民に対して地域の恊働センターで防衛省の説明会が行われた。説明会に参加し、移動目的と移動計画の概要を聞いたことが蘇った。
浜松基地は創設以来、操縦、航空機,高射等整備、通信等の教育のメッカとしてその機能を発揮してきたが、戦闘機、輸送機及び救難機の一貫した教育体制の整備を図るもので、適正かつ効率的な人員、装備、施設、経費面から当然の要請であろうと考える。
最近の浜松基地-ムペ-ジで、第1航空団司令兼ねて浜松基地司令の熊谷三郎空将補は、第41教育飛行隊の受け入れについて、「基地司令あいさつ」の中で次のように述べておられる。
「現在、浜松基地は、美保基地に所在する第41教育飛行隊の部隊移動の受け入れ準備の最終段階に入っています。ここ浜松基地の第31教育飛行隊、第32教育飛行隊は航空教育集団に隷属し、T-4練習機により戦闘機及び救難機(回転翼)要員の操縦教育を行っていますが、第41教育飛行隊は輸送等を担う航空支援集団に隷属し、T-400練習機により輸送機及び救難機(固定翼)要員の操縦教育を行っています。ウイングマーク取得までのパイロットの教育を航空教育集団で実施し、より一貫した教育体制を整備するため、第41教育飛行隊を航空教育集団隷下に移し、あわせて部隊を美保基地から浜松基地に移動させます。双方の課程が意見交換を通じてノウハウを共有することなどによって、効率的かつ質の高い教育体制を構築できるものと考えています。
このため、4年ほど前から自治体及び基地周辺にお住いの方々にご説明をさせていただきながら準備を推進してまいりました。エプロン地区の嵩上げ工事を終え、整備格納庫、エンジン整備場、電子整備場、隊舎のそれぞれが7月~8月の間に次々と完成し、必要な器材などの搬入を行い飛行部隊の到着を今か今かと待っているところです。先週よりT-400練習機は数機ずつ浜松基地に移動を始めました。受入検査を行うとともに第1航空団飛行群にてデザインした垂直尾翼のマークを貼り付け、新たな仲間を歓迎しています。
平成7年にT-400が導入され、学生パイロットのゴールが浜松基地と美保基地に分かれましたが、再び浜松基地が若鷲たちの最終登竜門となります。ここでの厳しい訓練を乗り越えた者に栄冠のウイングマークは付与され浜松基地を巣立っていきます。
今月末から第1航空団飛行群は3個飛行隊を運用する新たな体制をスタートさせます。未来の日本を守る逞しいパイロットを育てるために浜松基地が一致団結して取り組んでまいりますので、引き続きのご理解とご支援の程何卒宜しくお願い致します。」
第41教育飛行隊の移動に関し、ウイングマ-ク取得までのパイロットの一貫した教育体制の確立と必要性について、とても分かりやすい説明である。
10月29日に主力の部隊移動が予定されているようで、整斉円滑な部隊移動と無事に編成完結が行われることを期待する。浜松在住のOBとしては、今後、部隊及びT-400のの雄姿を見学する機会が訪れることを楽しみにしている。
❶ 防衛省の文書「航空自衛隊美保基地から浜松基地への第41教育飛行隊の移動について」が基地周辺自治会を通じて各家庭に回覧された。
❷ 浜松基地ホ-ムベ-ジ 出典
【第1航空団】T-400航空機垂直尾翼マーク貼付け
2021年10月19日
第1航空団は、第41教育飛行隊(美保基地)から受領した機体に対して、受入検査(ACP)を実施しました。
41飛行隊編入に伴い、垂直尾翼のマークを1空団のマークに変更しました。