元自衛官の時想(33)  平成30年を迎えて思うこと 

 元日は、早朝に遠州浜の防潮堤で初日の出を迎えたのち、人気の少なくなった中田島砂丘に移り海岸を散歩した。菩提寺の洞雲寺にお参りし、地域の神社に詣で新年のあいさつをした。自宅では早々に配達された友人知人の年賀状をゆっくり読み、かって一緒に仕事をした仲間たちの現在に思いをはせた。夕方は浜名湖弁天島に出かけ、西の空に沈む夕日を見送り、天空の満月を眺めた。夜は家族と一緒に過ごし一日を終えた。

 平成30年を迎えて思うことをしたためておきたい。

1.新時代に向けて

❶.自衛隊の存立基盤が憲法に明記されること

 自衛官生活35年の経験から、OBとなって28年たつ今日においても、国家防衛の最後の砦であり、その骨幹をなすものは、自衛隊であるとの固い信念にはいささかの変わりはない。  

 昨年は、衆議院総選挙で政権選択と我が国の進路が審判された。安倍政権は国民の支持をもとに自衛隊憲法第9条への明記等、我が国の最高のリ-ダ-として、統率力・説得力・実行力を発揮して、国家の進むべき方向をまとめ、国民に明示して、激動の世界に立ち向かってもらいたいと思う。自衛隊現職及びOBの期待がかなうことを望むものである。 

❷.新しい時代に日本の伝統文化が継承されること

 今日は皇居の一般参賀が行われ、天皇陛下は新年のお言葉を述べられた。今上陛下・平成天皇のご退位が決まり、いよいよ平成の時代から新しい時代へと進む準備が始まる。

 日本文化・伝統の最たるものが元号である。わたくしがいただいた今年の年賀状の大部分は、平成30年であったが、2018年とするものも少なくなかった。世の中はその反対のようである。明治から150年、誇るべき元号制度、いつの間にやら日本の伝統文化が蝕まれていく姿はさびしい。

 わたくしは常に若い時代から今日に至るも、創造と建設をモット-とし、自分が主導する事柄では、改めるべきは改め新しい方向・やり方に努めてきたが、一方、守るべきものは徹底して守ることに努めてきた。

 昨今、話題になった大相撲の暴力事件の根絶や相撲道の継承などを含めて、これからの時代は、改めるべきものは改め、日本の伝統文化で守るべきものは守る積極的な考え方が必要ではなかろうか。

❸.指導者は在任間に、やるべきことをやり遂げること

 昨今の風潮で嘆かわしい事柄は、国家レベルから地域の小さな事柄に至るまで、やれる立場に立ったものがやるべまことをやらないで、過ぎ去ったつぎの時代に批判をしたり、弁明・弁解をすることが多くなったことである。

 昔から「敗軍の将兵を語らず」、「捲土重来」という言葉がある。上は総理大臣・大臣・政権幹部・国家機関の中枢にいた者、大会社の社長から、下は小さな組織に至るまで、トップに立ったものが、その在任期間中にやるべきことをやり切れずに、退任してから言い訳や未練を残し、批判的な立場に立つ風潮の見苦しい姿が多くみられることである。

 どんな地位・役職でもひとたび推挙・信任されて就任したら全身全霊をもってその職務に当たり思う存分に活動し、平素培った実力を発揮し、国家国民や地域社会に奉仕することに尽きる。実力を発揮できなかったら自らを反省し実力を蓄えて、捲土重来を期すべきであろう。

 また、己のやるべきことをやり終えたら、在任間のことはすべての責任を背負い、次へバトンタッチして、静かに見守る。これが日本古来の指導者の正道ではなかろうか。

2.地域社会への貢献

❶.健康で地域社会に貢献できること

 今年は5月、満83歳となる。地域社会の自治会等の役割を終えた。自分でできることやらねばならないことは自分なりにやったので悔いはない。自分のことはわからないものであるが、どんな評価を受けようが全く気にならない齢になった。多くはみんな忘れられ、自分だけの内なる誇りとなっていくものである。これが世の習いである。

 最後の活動は、シニアクラブが主となった。みんなの推挙で会長職について久しい。次への橋渡し役が大きな役割となるであろう。会員の意見を取り入れて、従前より思い切って陣頭指揮で積極的に活動内容を時代に対応して改善に努めてきた。ロコモ-ショントレニングなども取り入れた。みんなが自由に生き生きと参加活動することに尽きる。これからも先頭に立って、自分自身が楽しみながら、無理をせず、その役目を果たしたいと思う。

❷.地域社会の行事に参加すること

 歳とともに社会参加が少なくなっていくのは当然とはいえ、心して参加することに努めたいと思う。片隅に静かにいることが地域社会の諸行事を盛り上げることに繋がる。

 つまらないことに先輩ぶって口出しをしないこと、若い人たちを陰から支えることが必要ではなかろうか。

3.人生の終活に向けて

❶.やるべきことをやり遂げる

 どんなに年齢を重ねても、自分がやり遂げたいと思うことは何とかしてやり遂げたい。これがわたくしの信条である。体力気力の衰えとともに、口で言うことはやさしいが実行が伴わなくなる。したがって、やるべきことを最も重要かつ不可欠なものに限定してやることとしたい。 

❷.趣味は、気楽に楽しく行う

 カラオケ、写真などは、何とか長くやれそうだ。演歌を中心とした演歌は性に合っている。特に人生を歌い上げる演歌は歌っていて気持ちがよく、心のすわりがよい。

 写真は芸術的なセンスがないことは十分自覚しているが、地域の活動など日常生活を主題とした他人が追求しない分野のことにとり取り組んでいきたいと思っている。

❸ ブログを通じて自分史をまとめる

 ブログは今年の5月で、丸5年になろうとしている。ブログを通じて自分史をまとめているようなものである。今年も毎日継続して書けたら幸いである。ブログの大きな役割は、頭の体操でボケ防止に多少でも繋がっているのかもしれない。

 ブログを書くことは、パソコンとスマホをいじることになるので、新しいものに挑戦する気概が継続できるのはありがたい。また、シニアクラブ等の情報連絡紙である会報の編集もしっかりやり遂げたいと思っている。 

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 《 平成30年元旦の我が家の玄関の国旗 》

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 《 平成30年元日、遠州灘海岸から初日の出を迎えた。》