読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

昭和の航空自衛隊の思い出(415) 空幕人事第2班長職の総括(5)4. 准空尉、空曹及び空士の人事管理資料の積極的な提供と人事業務の改善向上

お断り

 この項に関しては、再三再四掲載するも、掲載後内容が途中で切れてしまう結果になりました。この事象が起きるのはこの項目のみですが、その原因など専門的なことは分からないので、組み立て方と内容を変えて発信することにしました。

4.   准空尉、空曹及び空士の人事管理資料の積極的な提供と人事業務の改善向上

 昭和61年(1986)12月 〜63年(1988)7月までの間、航空幕僚監部人事教育部人事課人事第2班長に補職された。

   人事第2班長在任間、特に重視して実行したことの一つは、准空尉・空曹及び空士の人事に関する資料を積極的に部隊及び人事担当者に提供し、指揮官の適切な補佐とともに隊員の理解と任務遂行意欲の向上に資することに努めた。

 内容も、部隊の立場で真に役立つ、常に活用される人事管理資料の作成・提供に努めた。空幕人事第2班長の職位はそれを実行しうる立場にあったからである。

 これらを総括すると、改めてつづることより、多少重複するところがあるが、すでに記録したブログに尽きるので再掲することにした。

昭和の航空自衛隊の思い出(366)  部隊指揮統率に寄与する人事デ-タ資料の提供

1.  部隊指揮官の指揮統率に資する人事デ-タ資料の提供・提示

   昭和60年(1985)8月〜63年(1988)7月までの3年間、航空幕僚監部人事教育部人事課に勤務した。61年(1986)12月人事第2班長に補職された。

 在任間、特に重視して実行したことの一つに、准空尉・空曹及び空士の人事に関する資料を積極的に部隊に提供し隊員の理解と任務遂行意欲の向上に資することであった。

 各級司令部及び部隊の人事幕僚勤務を通じて、最も願望したことは、「部隊指揮官の指揮統率に資する人事資料の提供・提示」であった。

 要撃管制幹部から人事幹部になりたての頃は、上級司令部から提供される資料はありふれたもので最も欲しい人事統計デ-タは手にすることができなかった。各級指揮官が最も必要としているものは全体の中で自分の率いる部隊・隊員がどのような位置づけにあるかということである。これらは全体のデ-タ資料の中でしか判断できないからであった。

 各級司令部で逐次上級の人事幕僚として勤務するにつれて、隷下部隊に提示できるものは積極的に提供し、隷下部隊の各人事幕僚が部隊指揮官を適切に補佐できるように努めた。このことが指揮官と人事幕僚の密接な関係を醸成するとともに信頼されることになるからであった。  

2.部隊ニ-ズに合った人事資料の作成・提供

 人事に関する統計デ-タは、上級司令部になればなるほど豊富である。当然、航空幕僚監部はデ-タの宝庫である。デ-タはそのままではなく、各級部隊指揮官の指揮統率に役立つように分析・処理したものとした。また、秘密保全上の処置を十分に行って、部隊が活用しやすいように分析評価したものを提供すること努めた。

 往々にしい人事に関することは、すべていっばひとからげにして秘密にする傾向があるが、人事に関する秘密保持と全体の昇任や異動の現状及び推移を示すことは何ら競合するものではなく、各級の指揮官が自分の指揮統率する部隊及び隊員が全体の中でどのような状況にあるかを知ることは必須である。

 部隊勤務の経験から、准空尉・空曹及び空士経歴管理基準等人事管理の基本方針、運営要領などは積極的に教育指導・周知徹底を図るよう進めた。人事第2班長に就任してからは、人事課長の承認を得て、人事第2班長名で全部隊・機関の人事班長へ資料提供することに努めた。

 とりわけ、部隊及び隊員の最大の関心事は昇任・異動である。指揮官にとっても指揮統率面からも昇任及異動は密接な関係にあり、各級指揮官に適時適切な情報資料を提供することに努めた。  

3.編単隊長の隊員指導に資する人事資料の作成・提供

  各種の人事資料は、第一線部隊の編制単位部隊長が隊員指導に資することができるよう着意して作成したものであった。

   とりわけ、昭和62年6月施行された「准空尉・空曹及び空士経歴管理基準」については、漫画付きのダイジェスト版を編集発行し、編制単位部隊へ1冊以上行き届くよう印刷配布した。 

 昭和63年1月「准空尉・空曹及び空士異動計画構想」、63年6月「離島・北辺サイト・沖縄・教官及び硫黄島交流実施状況」「地方連絡部勤務者の人事管理状況」など当時のメモには多数の資料を配付したことが認められていた。

 

 2016-02-05 昭和の航空自衛隊の思い出(234)  資料作成と部下隊員の能力発揮

   飛行教育集団司令部勤務を終えて、送別会における川柳調の一つに「浜風去りデンジコ管理者一安堵」とあった。各種の資料等を作るために、従来以上にコピ―用紙とインクを使ったことが班員の脳裏と身体にしみついて強烈に印象に残ったということであろうか。

相撲の世界で、土俵には宝の山が埋まっているとよく言われ、力士の精進次第では宝の山を自分のものにすることが出来る。要するに自分の実力を発揮する場は土俵の上であることを指している。

 司令部幕僚にとって、その実力を発揮するところは指揮官を補佐する司令部活動にあった。幕僚作業の一つである資料作成は部下隊員の能力発揮の場でもあった。それは昔も今も変わりないであろう。 
 1.  各級司令部は情報・データの宝庫
. 各級司令部及び航空幕僚監部勤務を経験して見て、 当然のことであるが、司令部の格が上がるほど集約する情報・デ-タの質と量は格段の差がある。
     これは、行政組織・上級官庁、会社の本社等中枢部等においても同じことが言えるであろう。それに付随して、情報・データの保全管理は重要な課題である。
    司令部班長職について、一番力を入れたことは所掌業務の人事に関するに情報・デ-タを基にして分析検討し、司令部活動の基礎となる各種資料等を作成することであった。
    第一線部隊の現場にいて本部の班長をしていた時、指揮官を補佐する上で必要な資料等が欲しかったが、末端に配付されていなかったり、その資料がどのレベルの部署において作成され存在するのか知らないことが多かった。
    仮にあったにしてもその資料を有効かつ適切に活用するとことについての理解が不足していたようだった。
    自分の幕僚としての活動経験に鑑み、状況に対応した指揮官の状況判断・決心に資する適時適切な資料等が準備・提示できるかによって指揮官の幕僚補佐の適否が決まってくる。指揮官の当該幕僚に対する信頼と評価につながってくる。
 人事幕僚として、各級司令部に勤務して感じたことは、司令部活動及び担当職務の遂行の基になる情報・データは司令部に宝の山ほどあるということであり、それを使いこなせるかどうかにかかっていることを知った。 
2. 各級指揮官の指揮統率及び部隊運営に資する資料
    各級司令部は幕僚長等をはじめとする幕僚組織を有し指揮官を適切に補佐する体制にある。特に人事幕僚の場合は、人事面から専門幕僚として直接的に補佐する立場にある。人事幕僚として長中期的な視野で人的戦力を形成するためには基礎デ-タに基づく各種の策案が求められた。
  一般的・事務的な資料ではなく、各級指揮官にとって真に指揮統率及び指揮管理に資する有効な資料が強くの求められた。 どんな時にどんな資料が求められているのか、今何か必要なのか将来的な推移を見通した役立つ資料が必要であった。
 このため資料等の作成にあたっては、班の総力を結集して精魂を込めて作り上げ、各級指揮官指揮官の指揮統率及び部隊運営に資することに努めた。 
3.  班長がどれだけ料理しきれるか腕の見せ所  
   各級司令部にどれだけ情報・データがあってもそれを必要にして十分な資料等として整理・分析・評価して使える資料に作り上げる能力が幕僚には求められ、その要になるのが班長であった。
 資料等を作成し、説明・提供・提示するからには、班長指揮のもと、各班員の能力を最大限活用して資料の精査・整理などを行い、正確性を最も重視した。
    事あるたびに各級指揮官等に活用してもらうために使用目的に応じて、データ・資料が正確性・信頼性・説得力を持ち、一目瞭然分かり易くアッピールできることに努めた。
 班長の動き次第で人事部門全体の組織的な能力が評価され鼎が問われた。そのため各班員が腕を振るって作り上げた、データ・資料を適宜要所要所で指導し、料理を仕上げる如く最後に味見をし、必要に応じて味付けをして最高のものにするのが班長の最大の役目であった。それは班長がどれだけ料理を裁き切れるか、腕の見せ所であった。  
4.  資料作成は部下隊員の能力発揮の場であった 
 司令部活動で各級指揮官の指揮統率と指揮管理に資する資料の作成は部下隊員を指導する絶好の機会であり、部下の能力発揮の場であった。
 司令部の有する情報・デ-タをどのようにまとめるかは実に担当者にとって腕の振るいどころであった。
   大量かつ複雑な資料を一目瞭然の図表化、数量化、ポンチ絵化、さては漫画化など創意工夫・アイディアありであった。部下隊員の意外な能力を引き出す機会でもあった。部下の作成した資料は、更にアレンジしてもらい使用する時と場所、利用者に対応して、手を変え品を変えて活用することに努めた。
 こうしたことから、部下の作成した資料は3回以上は活用されるよう努めその労に報いることに努めた。また、よく誰が作ったのだと問われるたびにさりげなく 作成の主担当者の名前を披露することに努めた。
   隷下部隊の人事幕僚には、当該部隊に関わる資料を積極的に提供し、できるよう指揮官の補佐を適切にできるよう努めたことは非常に喜ばれた。
 
 
❷.人事職域の人事業務の改善向上
 

1.人事関係通達類の整備と適正な人事業務処理

 空幕人事課において、各部隊の人事担当者の人事業務処理能力の向上について、指導しやすい立場にあるのは人事第2班であった。

 全部隊の人事担当者の識能の向上、人事業務の適正な処理に資するとともに、第3術科学校における人事総務教育において部隊の実務に直結した教育の推進の面から、航空自衛隊における人事関係通達類を一冊にまとめて、常に最新の内容に維持する事業を推進した。

   人事幹部・上級人事員・中級人事員及び初級人事員課程に対する術科教育に必要な最新の人事関係通達類の所要部数の整備と活用にも努めた。又、空幕から発出する人事通達及び人事デ-タ資料は人事教育の現場に同じものを配付することにより人事教官の識能の向上に資するとともに実務に直結した人事教育ができるよう配慮した。

 この事業の推進にあたっては、人事第2班員石田敏晴3佐が俊腕を発揮し、人事関係通達類集の整備と必要経費の確保、教材整備隊へ造修発注と部隊配付などが整斉と進められ、現場部隊から喜ばれた。 

2.各級指揮官を積極的に補佐できる支援

    各級指揮官にとって、最も知りたいことは、部隊指揮統率と最も関係のある昇任・異動など人事に関するデ-タ資料である。当該部隊の人事幕僚が指揮官を補佐する上で必要なものは、全体の中における自分の部隊及び隊員に関わる人事面の状況であろう。

 こうした点から、航空自衛隊の全部隊・機関において、人事幕僚が指揮官を補佐する上で最も重要なことは、指揮官の最も知りたい人事デ-タ資料を適時適切に報告・提示できるかにかかっている。

 したがって、人事第2班長在任間、特に重視して実行したことの一つに、准空尉・空曹及び空士の人事に関する資料を積極的に部隊に提供し隊員の理解と任務遂行意欲の向上に資することであった。

 こうしたことを実行しうる立場にあったのが、空幕人事第2班長の職位であった。空幕には豊富なデ-タと資料があり、部隊の状況に合わせて、人事部長会議、人事班長講習、充員計画業務講習のほか適宜、全国の部隊・機関人事担当者あてに諸資料を配布することに努めた。

     部隊の立場で真に有効に役立つ、常に使われる人事データ資料の作成・提供であった。

3 人事担当者が指揮官の全幅の信頼を得る要諦

 部隊の人事担当者が、空自全般デ-タ資料と自己の部隊デ-タ資料と合わせて活用し、部隊指揮官を積極的に補佐し、部隊及び隊員の適正な人事管理に資することであった。指揮官が指揮統率に当たって最も知りたい事項に的確に答えられるがどうかは、平素からのデ-タ資料の整理である。これこそ幕僚の腕の見せ所であり、指揮官の信頼を得る要諦である。

 デ-タ資料配付により、全国の部隊・機関の人事担当者の識能の向上、人事業務処理能力の向上を図るとともに有効な活用により指揮官の信頼を得るとことができると確信したからであった。

 人事幹部になりたての頃からの長年の願望であった分析検討したデ-タ資料を配付できる立場にあることに感謝した。空幕第2班長というポストがそのことを可能にしたからであった。

 人事担当者が机の中にしまって、単なる業務参考資料としてしまうか、配付されたデ-タ資料を基に更に自分の部隊デ-タと組み合わせて、味付けして指揮官に適時提示できるかどうかによって、人事担当者に対する指揮官の信頼度、人事担当者の能力・活躍の場が大きく変わってくるからであった。

    航空自衛隊全般の人事部門のクテータスアップと人事担当者のレベルアップに少しでも寄与できればと考えたからであった。

    このことは連鎖して、人事担当者の上下左右の連けいが緊密になり、人事部門の質の向上と指揮官の評価・信頼につながっていった。

     部隊訪問に際して、基地所在部隊人事担当者との懇親会等での挨拶では必ずと言っていいほど、指揮官から絶大な信頼を得る人事部門のあり方、作戦運用と一体となった人的戦力の人事管理と運用を強調したものであった。

   これは、青年幹部時代に要撃管制官として作戦運用に従事し、作戦運用と一体化した人事運用、第一線部隊及び各級司令部の人事幕僚と実務経験をした私の持ち味であった。この持ち味を生かせる職位・場が与えられたことに感謝し、思い切り職務を遂行することができた。

     部内幹部出身者・航空学生出身者が空幕班長・1佐職に補職されたことに対して、将来の後輩のためにも、極めて重要な人事配置であった。これこそが本当の人事であり、時の人事課長はじめ人事教育部長、空幕長の英断に深謝し、その期待に応えるよう努力した。