昭和の航空自衛隊の思い出(340)  自衛隊生活における日記と効用

1.つれづれの日記と所感

 入隊以来、ポケットに入る自衛官手帳は愛用したように記憶しているが、若い時代のものは全く残っていない。時代を追って自衛官手帳も大型化しノ-ト式になったものを愛用した。行事予定や業務の主要な実施事項等をメモしていた。そのほか普通のノ-トを利用して「日誌」としているが「つれづれの日記」帳とし、思いついたことを書き留めてきた。

 多くは、自分の考えをまとめたり、所感を書きとめたものであった。書くことによって自分の考えを明確にし、所信として表明するようになった。

 所感をまとめることを始めたのは、昭和43年(1968)・33歳ごろで中警団司令部副官時代、その後、指揮幕僚課程を学び各級の司令部勤務をしたときには、手帳とは別にノ-トに日記を認めるようになった.。昭和52年(1977)8月航空総隊司令部で3佐~2佐のころから空幕勤務時代のものは大部分が残っている。

2.  日記と所感を綴ったことの効用

 手元に残っていた日記を見ると、何をやったかを記録する形式ではなく、その日の主要なことについての所感などが認められていた。また読書した中で特に印象に残ったことを書き留めていた。所感はタイトルをつけてまとめているのが特色である。

 所感を綴ることによって自分考えをまとめたり、進むべき道を明確にしたといえる。

また、指揮官の訓示・講話・指示の要旨や自分が教育等で話したことの要点、特別な作業で指示した事項などは明記していた。これらは指揮官の方針、意図をしっかりと把握して実行の具体策を進めるために記録したものと思われる。 

 ブログを書くにあたりその一部をめくってみると、自衛官勤務においてどんなことに関心をもち生活していたか、どのように考えていたのかなどが記録されていた。いずれにしても、長い自衛隊勤務で日記と所感を綴ったことは有益であったと考える。そこには、自分の歩んだ自衛官生活と心の遍歴が残されていたのである。

3.発想録

 空幕勤務の異動内示を受けてから、ノ-トの「発想録」なるものを作っていた。人事施策関連事項について、部隊において直面した諸問題、困っていたこと、上級司令部に要望した事項など思い出されるたびにメモしていった。

 空幕勤務になってからは、今後の施策で思いついた事項を書きとめることにしたのだった。