元自衛官の時想( 56) 航空自衛隊OB団体つばさ川柳 への投句集(4)

 平成2年4月 航空自衛隊を退官すると同時に、航空自衛隊OBで組織している「つばさ会」へ入会した。

     退官後の第二の人生の途中で、つばさ川柳の主宰・選者が願法満氏に代わられたのを機会に、つばさ会川柳同好会の会員となり、平成14年から18年まで、年4回の投句に毎回参加するようになった。その後、平成19年から24年ごろまで約5年間、自治会活動や病気で休止したが、平成25年から再び参加するようになり、今日まで相変わらず投句を続けている。つばさ川柳の投句は、最近、課題句2句と自由句3句をもって参加している。

1    つばさ会川柳のきっかけ

   川柳を作ってみようと始めた背景には、航空自衛隊在隊間において、年末の忘年会等では一年間の総決算として、上司・同僚・部下の立場から見た勤務ぶり、人物像、特色などを川柳的な発想で文句を作り発表する機会を作り融和を図ったものである。また、隊員の転任、退職にあたっては同じ発想で川柳的な形式にして思い出をこめた文章を作り贈ったりしたものである。

 こうしたことがあって、その後、「つばさ会だより」に掲載される先輩たちのつばさ川柳に触発されて興味を抱くようになり、つばさ川柳同好会に仲間入りをさせてもらうようになった。

2   川柳句はわが心の遍歴

 今回、終活整理の一環として、つばさ会の機関紙である「つばさ会だより」に登載された自分の作品を整理してみた。初回の投句から今日までを顧みると、国内外の情勢、私自身を取り巻く社会・生活環境の推移に伴う「心の中の動き」が当時の作品の中に反映されており、往時のさまざまなことがよみがえり、わが胸に万感迫るものがある。まさに心の遍歴でもある。

3   投句した川柳句の整理

 整理をした背景の一つに、最近心配しだしたのことは、偶然ではあっても、詠んだ句が過去のものと全く同じものになって投句することを危惧するようになったことである。投句するときには家内に一度チェックしてもらおうと思って整理をすることになった。

 よく見かけるのは、後期高齢者ともなると、同じことを何度も同じ人に同じことをしゃべっている人に接することが多くなったからである。まさに他人事ではなくなったからである。そのことが歳をとったということであるからだ。

4    つばさ川柳投句集

 今回は、平成28年1月から30年4月までの間につばさ川柳として投句した中で、「つばさ会だより」に掲載された吟句を紹介する。

 つばさ川柳の選者は、願法みつる氏である。願法氏は、自衛隊OBで大体同じころに航空自衛隊を定年退官したと記憶している。埼玉川柳社代表で「川柳さいたま」編集人・発行人をされており、つばさ川柳でご指導いただいてきた。

 つたない川柳であるが、いろいろな社会や日常生活の出来事をわが心に映ったものを川柳の作品を通して表現した。こうしてみるとわが心の遍歴のようなものでもある。 

  

つばさ川柳  平成28年1月~30年4月

 

晩節を汚す余力も既になし

指揮権を譲り家内は波静か

題「若い」

秀 風を切る若さは無いが意地がある

(平成二十八年五月第137号)

   

難産の役員選ぶ新年度

歳重ね引き際時が駆け巡る

 題「開ける」

慣行に風穴開けて活性化

   (平成二十八年七月第138号)

 

ポケモンを追っかけたいが気力なし

天命に委ねて暮らす満ちた日々

題「急ぐ」

待つことに慣れすぎちゃった平和ボケ

  (平成二十八年十月第139号)

 

トントンと刻むリズムに母偲ぶ

ハンドルを握るアタマによぎる記事

題「嘘」

歳重ね断る理由軽く出る

   (平成二十九年一月第140号)

 

終活の切実感にいざ整理

好々と頑固爺を使い分け

題「鉛筆」

鉛筆の指だこ残す昭和の世

   (平成二十九年五月第141号号)

 

老い方に基準点ないみんなマル

菜園で自然の摂理教えられ

 題「おろおろ」

さざ波に揺れ動くなよお国振り

   (平成二十九年七月第142号)

  

老々が逝く順番を譲り合う

空元気頑張った分きしむ骨

題「からから」

ガラガラと崩れる身体老いる日々

   (平成二十九年十第143月号)

  

訃報見て歳で異なる感嘆詞

躓いて老いの度合いを推し量る

食卓の乏しさ知る世代減る

題「きらきら」

輝いた若き時代は今いずこ

    (平成三十年一月第144号)

  

歳重ね悟った振りの布袋様

多言居士あれやこれやと話題生む

今どきの想定外は言い訳語

題「くらくら」 

秀 情報の過多に埋もれ山見えず

         (平成三十年四月第145号)