隊友会活動(30)  隊友の浜松航空隊歌見送りとOBの「一人一役」活動

1.隊友故吉澤孝平氏を浜松航空隊歌で見送る

 隊友吉澤孝平氏が、昨年12月31日に享年87歳で逝去された。1月4日葬儀告別式が営まれ参列した。出棺あたって、多数の隊友が棺を囲んで「浜松航空隊歌」を合唱して野辺のお見送りをした。感動的な最高の葬送であったように思う。御霊のご冥福をお祈りいたします。

 葬儀告別式は、厳かに神式で行われ、静岡県隊友会元会長今村昭八氏、西部地区協議会会長若杉幸助氏、隊友会浜松支部長新田満氏・浜松支部顧問内山好夫氏・浜松つばさ会会長飯塚雅視氏及び浜松自衛隊家族会会長志賀勝氏など多数のOB・関係者が参列した。

 吉澤さんは、私より5歳年上で、警察予備隊に入隊され、航空自衛隊では通信幹部として活躍された。退官時の制服を着用し1等空尉の階級章が輝いていた。自衛官はOBになっても元自衛官として、人生の活動期を国家防衛の重責を担って、職務の遂行に従事たことが最高の名誉と誇りである。凛々しい最後の装束は何物にも代えがたいものであった。

 私が、平成4年に静岡県隊友会浜松支部長に就任し、在任間、副支部長をはじめ多くの先輩諸兄に支えていただいた。とりわけ、吉澤さんは副支部長として、鈴木美三氏・遠藤政男(故人)・藤井修三氏(故人)・新堂政吉(故人)・竹下益雄・森田延好氏(故人)・若杉幸助氏の各副支部長と一緒に、会計部門を担当し、積極的に補佐していただいた。責任感が強く、担当分野を必ずやり遂げる実行力は、現職時代そのもので強く印象に残り感謝しきれないものがあった。

2.隊友の「一人一役」活動で浜松市体育功労章を授与された

  隊友会浜松支部長に平成4年就任以来、活動計画の中に「一人一役」活動を展開したが、その原点となったものは、すでに隊友の多くが、地域社会で活躍しておられたことがきっかけであった。地域社会で存在感のある活動は自衛隊OBにとって自衛隊で培った識見技能・経験と能力を発揮するのに最もふさわしいものであった。 

 吉澤さんは、航空自衛隊を定年退官以来、ソフトボ-ルの審判員として浜松市体育協会で活躍しておられ、会社員、隊友会役員をこなしながらスポ-ツ界で献身しておられた。こうした多くの先輩隊友の姿に着目し、活動計画の中に「一人一役」活動を取り入れ、拡大していった 。吉澤さんは、その後、功績を認められ、輝かしい浜松市体育功労章を受章された。

3.元自衛隊員・OBにふさわしい「一人一役」活動

 隊友浜松支部の活動計画には、「一人一役」活動が幾代にわたって、今日に至るも継承され、多くの隊友が自治会長等役員、民生委員・保護司・家裁調停員等の公的な役割、スポ-ツ団体の理事長等役員・指導者、青少年育成の指導者等地域社会の役員、地域の神社等の総代・役員などで地域社会に貢献し、高い評価を受けている。

 退官後、自衛隊時の階級・職位・職種に関係なく、自衛隊在隊間に培った責任感・積極性・企画力・指揮統率力・調整力・実行力を発揮して活動し、地域社会に役立っている事は誇ってよいことではなかろうか。こうした活動は、自衛隊勤務経験者に共通して性が合っているように思えるのは、私だけの思いであろうか。