航空自衛隊第1期操縦学生(41) 第1期操縦学生入隊60周年記念大会を終えて

1. 第1期操縦学生入隊60周年記念大会を顧みて

❶  60周年記念大会

   60年前の入隊日6月2日を記念日として毎年同日に第1期操縦学生同期会が東京で開催されてきた。今回、全員に呼びかけた浜松における最後の記念大会を無事に終了することができた。

 多くの同期生が万難を排して、ご夫人を含めて63名が参集した。若い時代と違って多くの同期が持病を抱える身体的な状況も加わり、長い人生の風雪を乗り越えた60年の歳月を振り返ると、よくぞこれだけの同期が集まることができたものだと万感の思いがこみ上げる。

 今回の計画運営・実行に当たった浜松周辺に居住する同期生で結成した実行委員会は、その役目を整斉と果たすことができたことに対して、同期生はもとより。関係各位に感謝と御礼を申し上げます。

❷  同期生会の初めと終わり

 私自身にとっても、現職で入間基地に勤務したとき、16年の歳月を経て昭和46年6月ようやく、初めて全国を統一した第1期操縦学生の同期会を東京市ヶ谷で開くに至った。

   何の因果か代表世話人となって、入間基地所在の同期パイロツトの黒田功君をはじめとして、難波良章、高坂清美、戸祭日出男等7. 8名でしばしば会合を持って準備会を結成し、開催にこぎつけたことがあった。

    数年前の1期生会会長時には60周年記念と同期生会の今後のあり方の検討を問題提起したことがあった。

   ついで、今回の60周年記念大会で第1期生会の終結に関わる実行委員長となった。第1期生会の初めと終わりの任をもつことになった奇縁に不思議な運命を感じたものである。

 

2.最後の同期生会のありよう

❶  第1期生会のけじめ

 第1期操縦学生会は、ここに一つのけじめをつけることになった。寿命のある生身の集団である限り、いつかは組織的な活動の終結を迎えざるを得ない。

   戦後、先人たちの戦友会などの結末をしばしば話に聞いたりしてきたものだが、他人事のように静観してきた。

   こうして自分たちがこのような形でけじめをつけることになるとは考えておらず、数年前までは現実のこととして真剣に取り組むことはなかった。

 まだまだ先のことと思っていたが、意外に早くやってきたのだ。同期の中にも余力もあるのにどうしてだ、最後の数名になるまでやれるだけはやったらどうだとの勇ましい声も聞かれたが、有終の美を飾るには余力のあるときが一番良いものだ。その点では今回理想に近い形で終結することができたように思われる。

 特に、航空学生制度60周年に当たって、第1期生会として航空学生旗など後輩に受け継がれる品物を贈呈し、第1期生の心意気を示すことができた。発足期から蓄積してきた会計も清算することになつた。

❷   同期生会の最後の有り様

   自衛隊には各種の多様な同期生会が存在する。全国に同期が散らばっている場合、最終的には最後をどうするかの問題に直面することになる。自然消滅も一つの選択肢であるが、組織的に活動をした同期生会としては、しかるべくけじめをつけることになった。

   第1期操縦学生会の結末は、航空自衛隊の各種の同期生会の最後のありようの一つの先達となりうるのではなかと思われる。

 

3.今後の同期会の進め方

❶ 今後の同期会

 今回をもって、第1期生会はすべてが消滅したのかといえばそうではない。全国的・組織的な活動は終結したが、地区別の同期会に移行することになる。その地区の有志が集まって同期生会を運営することになるであろう。

 九州、中部、浜松、東京など今までも適当に地区ごとの同期会が行われてきた。今後もその方向で進むであろうと思われる。適任の幹事等の世話役がいて任意に自由に行われるものとなる。

 浜松同期生会

 浜松の場合、従前から同期会を適当に開いて来た。これからも続くであろう。それは飲めるの飲めないにかかわらず、特別な用事がある場合を除き、全員参加している。

   60歳代は、集まると深夜帰宅が多かったが、この頃は夕方5時に集合し、2時間余で散会することにしている。このぐらいが家族に心配をかけず、一番身体の調子がよさそうだ。

 この種の同期会は特別な決まりはなく自由参加で、幹事役が皆の都合を聞いて日時を決めて集まっている。場所はお馴染みのところに決めている。その都度割り勘方式でやっているがこの調子ではかなり先までやっていけそうだ。 

❸  インタ-ネット情報交換

 同期生名簿には多くの者がアドレスを持っている。情報交換を活発にすればかなりの連絡網を構成することができる。自分の得た情報をネットを利用して発信することによって同期の絆を保つことが出来るであろう。これもボケ防止の一つと考えて活発化すれば有効な手段となるであろう。

 地区の同期会をやるときにはその旨発信すれば参加することができる。また同期の動静を伝えることもできる。

   同期に関わる情報とネットや活用がどの程度になるかやってみないとわからない。新しい同期生会の発展となるであろうか。