こころのふるさと(24) 羽合中学卒業の文集をめくって(1)

1.羽合中学卒業記念文集「おもいで 」

    昭和23年4月から26年3月まで、鳥取県の中部に位置する羽合町(現在、合併によって「湯梨浜町」となった。)の羽合中学校へ生まれ育った宇野から毎日4キロほど離れた中学に徒歩で通った。

 中学時代のもので残っているものは、記念写真と卒業時の文集ぐらいである。今の時代であれば、デジタルでいくらでも記録することができるが、昭和20年代は写真屋さんで撮ってもらう意外になかった。さすが写真屋さんだけあって、白黒ではあるが何十年たっても古びても残った。

 文集はさすがに古びてバラバラになりそうである。ざら紙は変色したが、中学生時代に残したもので、内容はともかくどんなことを考えていたのか読み直してみるとおもしろい。全員が卒業に当たって短い文章を綴っており、内容を見ながら卒業写真の顔を探して、読んでみると中学生時代がおぼろげながら思い出される。

 どこの学校でも毎年こうした文集や写真帖を作成しているであろうが、70年近くなると懐かしさを越えて、追悼記を読むような感じとなった。

 この文集が優れているのは全員のものが載っていることだ。当時の校長先生はじめ教職員の手間を厭わなかった素晴らしい企画であったように思う。いつの時代であってもこうしたものは諸先生のご尽力と指導で残っていくものであるようにで思われる。

 今読み返してみると、こんなことがあったのか、こんなことを考えていたのか、文章は固いがまともなことを言っているなぁと気恥しい思いである。人間って歳をとっても本筋になるものは変わらないものだと感じた。

 

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《  昭和26年3月羽合中学校卒業記念集、昭和20年代であるためしみがついたりしてきた。バラバラになりそうなくらいだが、内容は立派な文集である。  》 

 

2.わが中学卒業にあたっての作文

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《 「野球クラブの思い出」、各クラブから1名が代表して思い出を残している。中学時代は、真っ黒になって練習した野球が強烈に記憶にのこっている。今ばやりの受験勉強の記憶がない。今で言う進学高校へよく進めたものだと不思議に思うことがある。孫たちもクラブ活動で真っ黒になっているが、人間どの時代であっても「そのときやれることはやっおけ」だ、再びその道を歩むことができない。》