令和4年・第20回「国民の自衛官」顕彰(2)  陸自東北方面ヘリコプタ―隊 浅井智信2等陸曹(44)

国民の自衛官の横顔  航空安全とメンタル支え

陸自東北方面ヘリコプタ―隊 浅井智信2等陸曹(44)

産経新聞記事 令和4年9月15日  出典

【所感】

 浅井智信2曹は、陸自へリのパイロットであった父親の影響もあり、自ら陸自に入隊したとのこと。私の次男も空自に勤務していた私の後ろ姿を見たせいか、自分から進んで空自に入隊し、同じ分野の職種を無事に勤め上げ、数年前に定年退官した。

 航空機整備において、高練度の技術を持つ整備陸曹として航空安全に万全を期する他に駐屯地のカウンセラ―として、隊員のメンタルケアの役割を果たしているとのことで素晴らしいことである。

 組織運営において、配慮すべきことは「人間は強くもあり、弱くもある」ということである。自衛官も同じである。

 古来、軍隊においては、過酷な任務、悲惨な戦場体験からくる精神的、肉体的な傷病の対処については調査研究されて来た課題である。

 私も、航空自衛隊で人事担当幕僚として様々な事案に直面し経験して来た。平時においても、能力の高い者、責任感の強い者などが、過酷な職務や任務を遂行する時、或いはやり遂げた後でメンタルケアが必要であるケースもあると考えてきた。

 このため、カウンセラーの役割と要領など各級指揮官、服務担当者、先任空曹などに講習会を設け、メンタルケアができる能力の向上を図ったりしたことがある。

 今日においては、従前より過酷な実任務、災害派遣、海外派遣のほか経験したことのない新任務が付与されるようになった。

 浅井2曹が、過酷な職務の自己体験からメンタルケアについて研鑽し、多くの隊員の聞き役、相談役を果たしていることに敬服するものである。

 昔から「適材適所」ということがある。会社勤務しかり、地域社会の自治会やシニアクラブなど団体役員なども然りである。適材適所において、存分に持てる知識、能力を発揮することができる。

 「国民の自衛官」に選ばれる皆さんは 適材適所に配置され、研鑽した知識、能力技能と経験を発揮して、与えられた任務、職務を全うし、優れた功績を挙げた隊員である。こうした自衛官を効率的に教育訓練し育成する部隊・機関があるのも自衛隊である。