元自衛官の時想(148)  憲法施行75年の憲法記念日に思うこと

     今日は憲法記念日,祝日であるので玄関先に国旗を掲げた。日本国憲法施行から75年を迎えた。今朝の新聞各紙の論調も憲法改正に関する立場や主張が表明されている。 

 大東亜戦争の勃発・敗戦の時代も子供のころ目の当たりにしてきた。自衛隊に入隊し国家防衛の任に就いた昭和の30年代初頭から今日に至るまで,終始一貫して現実の国際情勢は冷徹できびしく、理想や空理空論から脱して、政治外交,安全保障,防災、産業経済,社会活動全般にわたって理想・望求と現実を区別して対処していかなければならないと思ってきた。

 しかしながら、長い間、特に昭和の時代は憲法改正を一切論ずることさえできない風潮が蔓延していたが、近年になって、大震災の発生、他国の侵略の現実などから空理空論、理想・願望から脱して、現実的な議論ができるようになってきた。

 国家の骨幹をなす現行憲法において、国家国民を守る自衛組織、緊急事態条項など欠陥事項と改正すべき内容は明白となっており,国民的議論と国政の場での積極的な審議が深まることを期待する。さらには、主権者たる国民が自らの意思で憲法を改正する日が到来することを期待する。

 古来から個人も国家も基本は同じで,自らの自立努力無くして他力本願、消極的はダメで,自主独立の気概と主体性を持って積極的,前進的でなくては発展がない。