浜名湖東岸の浜松市西区伊左地町の「伊左地橋」付近の伊左地川に飛来したコウノトリ2羽について、ネットを利用して身元を確認することができました。最初珍しい鳥だとの関心と探求心から、何の知識もなく写真撮影に行ってから、コウノトリであることを知ることとなりました。
コウノトリと言えば、実際に見ることはなかったが、図鑑で子供のころから幸福を呼ぶ鳥だと教えられていた。しかも今日においては、特別天然記念物に指定され、絶滅危惧の種であることから皆さんの協力で手厚い保護と保存維持が図られている。
今回は、ちょうど頭の体操を兼ねて、コウノトリについて勉強し、個体の特定情報システムを知ることができました。飛来したコウノトリの写真をもとに、足環カタログや個体検索システムを利用して。2羽の身元を確認することができました。
千葉県の野田市で育ち放鳥されたものであること、2羽ともオスであること、J0127は、2016年生まれで4歳であること、少なくとも4回は故郷を離れて長旅の経験があることを知ることができる。一方のJ0310は、今年2020年4月生まれで、今回の旅が初めてであろうか。お兄さんのJ0127と一緒に長旅に出たのであろうか。
こうしてみると、コウノトリ一羽一羽にも様々な物語があると思われます。今日の情報管理システムの有効活用によって、旅の経路、いつどこを通過したか、どこに何日滞在したか、どんな仲間と一緒であったのかなどを克明に追跡していくと壮大な全国旅地図が描けるであろう。人の一生と同じく、世界の渡り鳥と同じく、わが国のコウノトリの旅物語は子供たちにも大きな夢を与えるに違いない。
自衛隊現職時代からの習性で、新聞等の情報だけでうのみにせず、自ら状況を確認するととコウノトリのことを学ぶことがてきました。
今日コウノトリについては、驚くほど素晴らしい情報管理システムが確立されていることに敬服するとともに保護活動やコウノトリの種の保存活動の実態の一端を学ぶことができました。単なる興味本位ではなく、コウノトリの種の保護維持についての国民の理解が深まり、幸せを運ぶ鳥として全国各地に飛来することを期待します。
1 コウノトリの保護管理システム
❶ コウノトリの足環カタログ
足環カタログ
兵庫県コウノトリの郷公園 公立大学法人兵庫県立大学大学院地域資源マネ-ジメント研究科 ホ-ムぺ-ジ 出典
リリースしたコウノトリと、野外で巣立ちしたコウノトリには、個体番号が書かれた足環と、異なる組み合わせの色の足環をそれぞれの個体につけています。これにより個体の識別ができるようになり、個体の移動や生死、生態を詳しく調べることができます。みなさんの近くにコウノトリが訪れたときには、どの個体がやってきたのか確認してみてください。
○ 足環カタログの一部紹介
○ 今回飛来したコウノトリ2羽が登載されているカタログ
❷ コウノトリ個体検索
IPPM-OWS(コウノトリ の個体群管理に関する機関・施設間パネル) 出典
コウノトリが装着している足環の色を入力して、コウノトリの情報を検索できます。スマートフォンでの閲覧に対応しています。提供:IPPM-OWS(コウノトリ の個体群管理に関する機関・施設間パネル)
このシステナを利用してコウノトリ256個の情報を見ることができました。
2 コウノトリの足環と検索結果
① 千葉県野田市 ソフトリリ-ス J0310
❶ J0310の足環画像
❷ 足環カタログによる確認
❸ コウノトリ個体検索による確認
( 誕生日が7月8日とあるが、入力ミスのように思われる。4月8日の方が成長と飛び立ちから妥当性があるように思われる。)
② 千葉県野田市 ソフトリリ-ス J0127
❶ J0127の足環画像
❷ 足環カタログによる確認
❸ コウノトリ個体検索による確認