わが自治会活動の軌跡( 35)  防犯灯の設置整備、一本一本の防犯灯に秘めたる歴史があります

   平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」が創設発行されるようになってから、現在に至るも継続されて情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 自治会・町内会の運営と活動は、時代、地域によって状況は様々であるが、共通するものがあるのではなかろうか。そうした視点からすると現在及び将来において、自治会・町内会の会長、副会長、会計の三役などの役員として活動される方々に参考になる点もあるのではなかろうかと思うものである。時代の進展とともに自分たちの住む町の自治会・町内会は常に新しい課題に直面しながら前進していくものであるからです。

❶ 防犯灯の設置整備に横たわる課題 

 平成17年4月自治会長に就任して,直面した課題は防犯灯の設置整備であった。神久呂地区4町の中で最も整備率が低かったことである。そこには昔からの農村地帯のしがらみ等があって簡単ではありませんでした。

 地域における防犯灯は文字通りの防犯灯でしたが、防犯灯を設置する必要性は十分に認められながら、外灯を設置すると害虫が集まってきて農作物に被害を与える恐れがあるからその場所には設置しないでくれという声なき声がありました。

 戦後、農村地帯には田んぼの周りに誘蛾灯が設置されたものです。誘蛾灯の周りに多く虫が集まって捕獲する方策がとられた時代がありました。こうした影響もあったことから、茶畑や田んぼに接する道路脇を避けて、対面・反対側に防犯灯を設置する方向で進めて、当該場所の地主と調整して了解をある方策を取りました。 

 長い歩みの過程においては、農地に接する道路の防犯灯設置は、潜在的にこうした雰囲気があっことから積極的な設置要望が少なく、この区域の防犯灯の整備がやや遅れてきたように感じたものです。

 当時も、防犯灯は誘蛾灯ではなく、蛍光灯そのものの改善により、それほど害虫が集まってくることは少なくなっていたように記憶しています。

  今日においては、実際に防犯灯の下に行って確認しても、こうした問題はすくなくなってきました。これも時代の推移とともに社会情勢、防犯に関する認識や住民意識の変化でもあったように思われます。

❷ 防犯灯の設置整備の推進

 住宅地の防犯灯の設置は特に問題もなく進んだことから、特に子供や女性が夜間人通りが少なく怖いと感じる場所への防犯灯設置を推進することにした。

 防犯灯は要望のあったものだけを取り上げる従来方式のほか、自治会が主体的に調査判断して、全町民の立場から設置する方式を取り入れました。

 そのため、夜間に部長以上の自治会役員が一緒に町内を歩き、どこに防犯灯を設置するのが最も効果的であるか現場診断調査を重ねて、候補地を選定し、関係者の了解、地主の承諾を得るよう積極的に働きかけることにしたことです。

 一方、防犯灯の設置は、予算を伴うものであり、市へ要望して予算の範囲内で承認される仕組みになっていました。いっぺんに整備ができるわけでもなく、毎年着実に設置個所を増やしていく必要がありました。こうしたことから優先順位をつけて市へ要望し、設置することに努めました。 

❸ 当時、町内全部で105灯となりました!

 神原町自治会ニュ-スNo35によると、「平成18年10月27日独立式灯が第3集積所(ビッグトップ西)に設置され、中間にNTT柱を経て、間もなく点灯できることになりました。」「今年の防犯灯設置費は、共架式4灯約99,000円、独立式約74,000円総計約173,000円となります。」と記録されています。 防犯灯設置費用は結構掛かるものです。

 当時の町内の防犯灯は、新設分を入れて105灯となりました。歴代の自治会の活動により、町内の主要個所に防犯灯が設置され整備されてきました。町内を歩くたびに防犯灯を眺めながら先人たちの営々とした継続努力の蓄積であるように思います。一本一本の防犯灯に秘めたる歴史があるからです。

f:id:y_hamada:20200926184630j:plain

神原町自治会ニュ-ス No35   平成18年11月5日

f:id:y_hamada:20200725224125j:plain

f:id:y_hamada:20200725224159j:plain