わが自治会活動の軌跡(8)  個人情報保護を順守した自治会会員名簿の作成及び日常生活に役立つ便利帳的な会員名簿の配付と地縁団体(法人)の自治会

  平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、3年間、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」が創設発行されるようになってから、現在に至るも継続されて情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 その目的は、時代、地域によって状況は様々であるが、自治会・町内会の会長、副会長、会計等の主要役員についたものにとっては、時代を超えて、自治会・町内会の運営や活動において、直面する課題は共通するものがあるからである。参考になれば幸いである。

 ❶ 個人情報保護を順守した自治会会員名簿の作成

 ▲  自治会長に就任して、着手したことの一つが、個人情報保護法を順守した自治会会員名簿の作成であった。従前のやり方を全面的に見直して、新時代に整合したやり方で 自治会会員名簿を作成することにした。このため「自治会会員名簿の作成及び管理要領」を制定し、会員名簿作成の趣旨の説明、用紙・封筒配布及び会長への提出を行った。 
▲ 神原町自治会は、地縁団体として、神原町の全部及び神ヶ谷町、西山町の各一部の区域の皆さんが一緒になって自治会を組織したものである。この区域に居住する個人がすべて会員になることができることから、住民のほぼ全部の方が会員となっていた。当時、会員代表者数(会員戸数)368 法人会員数9 総計377で構成されていた。
 したがって、自治会に入っている家庭の家族全員が会員であり、世帯主等の方が代表者になって総会等に参加していた。
▲ 自治会は、書類及び帳簿等の備え付け規定により、会員名簿を備え付けなければならないことになっていた。当時、会員名簿は、平成13年6月に会員実態調査票として作成して以来4年は経過しており、その後の変動等については代表者は把握していたが、正確に会員を把握できる状況になかった。
 時あたかも、世間では個人情報の漏洩・流失が報ぜられる厳しい状況ったことから

役員会(班長会)にはかり、適正な管理のもと会員名簿を整備するこにした。
▲ 会員名簿の更新にあたっては、個人情報保護に関する法律の趣旨を遵守、1部だけ作成の上、封筒に入れ封をして提出し、自治会長が管理するなどの内容を入れた「自治会会員名簿の作成及び管理要領」を制定し、適正な作成及び管理を図った。

 会員全戸に、新しい様式で作成するため、各戸に「自治会会員名簿の更新についてのご協力お願い」を配付し、趣旨を理解の上協力をお願いした。会員名簿の整備は円滑に進み自治会運営の基盤を確立した。また、鍵のかかる保管庫を設置し、会員名簿の適正な管理保管を実施した。 

❷ 新しい発想で地域社会における日常生活に役立つ便利帳的な会員名簿の作成

▲ 従前から会員全戸に作成配付していた会員名簿は、新形式の内容として一新した。

それは、新しい発想で地域社会における日常生活に役立つ内容を取り入れることであった。どちらかというと、会員名簿はほんの一部分で、大半は神原町の歩んだ歴史の一端の紹介、自治会運営及び活動に関するものから部・班の区域図、消火器・消火栓などの配置図など防災、ゴミ出し集積、清掃、緊急時の連絡先など日常生活に役立つ内容を網羅した。いうなれば手元において必要の都度使える便利帳的なものに一新することにしたことである。

▲ そうなるとそのための資料づくりと編集に大変に苦労したが、一度整備をするとあとはその都度の修正等であることから効率的になった。新しい「自治会会員名簿」は広告の部を逐次なくして、時代の経過とともに完全に除かれるようになった。歴代の自治会長によって基本路線が今日においても継承されて、ますます充実した会員名簿が発行されている。生活に役立つ便利帳、地域社会における日常生活に役立つ「自治会会員名簿」は各家庭に一冊備え付けられている。

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❸ 神原町自治会は市長から認可を受けた法人格の地縁団体です

 自治会も普通の任意団体である自治会と法人格の地縁団体の自治会がある。最初、耳慣れない言葉のように聞こえたが、今日では土地、建物を有する自治会は地縁団体の認可を受けているように伺っている。 
◆  地縁団体とは? 

 わが町の自治会は地縁団体である。地縁団体(法人)は、地方自治法第260条の2により不動産又は不動産に関する権利等を保有するため浜松市長から認可を受けた団体でであるある。

 私が自治会町に就任した当時、神原町自治会は法人格の地縁団体となっており、所有する土地・建物は、自治会名で登記されていたが、昭和30年の神原町誕生から40年近くまで自治会は任意団体であった。

 任意団体の場合は、自治会の財産は時の会長等の個人名義で登記されており、当事者が死亡したときの財産権の問題は、いろいろと紛争の種となることが多いようであった。

 どこの町でも、昔は自治会は普通の任意団体であったことから自治会の土地・建物は、自治会長等個人の名義としていた。本来、自治会長が変わるたびに名義変更登記をしなければならないが、手続が大変面倒であったこと、その上登記変更に経費がかかるなどから自治会長が交代しても前任の登記されていた元自治会長名義であったりすることもあった。
◆  先輩自治会長の尽力より平成5年に地縁団体として認可された。

 神原町自治会については、元自治会長原田忠俊さんと役員の皆さんが、奔走されて平成5年5月26日認可された。認可にはいろいろな書類と調整が必要で、ご苦労のほどが伺われ、本当に先輩の皆様はよくやってくださった。役員諸兄の先見性、関係者の理解と協力により時代を先取りしたことにより、公私の別が明確化され、今日に至っている。いつの時代も優れた先覚者がいるものである。

◆  自治会の適正な財産管理と円滑な管理運営ができるようになった。

 自治会が保有する土地・建物は、町民全員の共有財産であり、将来にわたって適正に管理運営する義務があり、財産が勝手に処分されたりしないよう法人化により歯止めがかかっている。また、自治会が会員名簿、財産目録を備え、議事録を整備することも大事なことであった。規約の改正や財産の処分等は市長の認可を必要とした。会長(代表者)の交代届が義務付けられ、市の台帳に登記される。法人として自治会はこうして充実していった。
◆  自治会規約の改正は、所定の所定の手続きと認可を必要とする。 

 自治会長就任して、従前からの現状の問題点を再度洗い出し、自治会規約の改正を進めることにした。規約の改正は、所定の手続きを経て市長の認可が必要であった。

   問題点としては、自治会事務所の所在地,役員会、総会議長選出など現状と異なるものがあつたので、年度末の定期総会で改正案の議決を得て、市長の認可を受けるための準備を進めた。

 そのため、まず、自分たちの自治会が法人格の地縁団体であること、地縁団体の意義と共有財産はどれだけあるのかを、「自治会だより」で町民の皆さんにお知らせすることにした。

◆  自治会の保有財産(建物 ・土地)は、いったいどれくらいか。

 自分たちの自治会が保有する土地、建物や税金はどのようになっているのかを取り上げた。自治会長等が細部を知るぐらいでさん、多くの町民は知らないのが普通ではなかろうか。調べてみて、あらためてびっくりした。当然のことであるが、共有財産の登記は、法人格となった地縁団体として認可された日であった。

◆ 自治会に対する課税はどうなっているか?ビックリすることがあった!
 地縁団体として認可されている自治会の公共施設は、所定の手続きにより無税となっている場合が多いのに、どうして課税されている?と思った。公会堂は課税なし、土地は税額を免減されているはずなのに、年税額4,100円を何年も支払っていた。無税のはずなのにどうしてであろうかと疑問を抱いたので、早速、市役所の担当課に出向き調べたところ、公会堂土地の一部が課税対象になっていた。

 かって、公会堂の一部を学習室に使っていたのでその部分が課税されていたのである。ずいぶん前から廃止となっていたのに、廃止の報告申請をしていなかったのである。直ちに現状を報告し、その後課税対象から外されることになった。 

 

🔸 神原町自治会ニュース NO 8 平成17年(2005年) 9月 5日

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