山門の人生の教示   深い川は静かに流れる

 菩提寺の天龍山洞雲寺示山門の掲示は、「 深い川は静かに流れる 」であった。

 深い川ほど流れはゆったりと悠然と静かに流れる。川底の浅い川ほど流れは激しく騒々しいものだ。深い川でも奥底になればなるほど流れはゆったりしてくる。表面に近いのところほど流れは速くなる。これは水の流れの法則でもある。自然界の摂理でもある。 

「 深い川は静かに流れる 」は、人の生き方、人が目指すもの、人そのもの、人間性を例えるときにも使われる。

 大人は、堂々として小事にわらず、物事を的確に状況判断し諸事に対処する。小人は細事にこだわり、騒々しく立ち振る舞う。いうなれば人間ができた人、中身がある人、実力のある人、良くできた人、性格の良い人は、泰然として騒がず的確に判断行動する。周りから信頼され、敬愛される。

 小人は、小事に対してその都度動揺し、オロオロ・ウロチョロして騒ぎ、状況判断が甘く行動を誤ることがある。人間ができていない人、実力のない人、中身のない人、軽薄な人はこのたぐいである。

 私たちは、できれば大人になりたいと願い、向上を目指して、毎日の生活の中で暮らしている。人間の修練ほど難しいものはない。言うは易し行いは難しである。

 かくいう私も同じである。そうかといって悲観したり、落胆したり、自らを軽んじることはない。平凡で普通であればよいと思っている。人の道を外れず、世間一般の普通の人と同じように行動、生活し、家族を大切にし、仲間や隣人と仲良くし、生業に勤しみ、社会に貢献できれば大人といえるのではなかろうか。 

なかなか含蓄のある言葉である。

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《  浜松市西区神ケ谷町天龍山洞雲寺》