今日、3月9日朝から雲一点もない快晴、ウオ-キングと気晴らしを兼ねて、夫婦で浜名湖今切口に出かけ巨大防潮堤と遠州灘海岸を散策した。有料駐車場に車を置いて、海岸に出たが風も穏やかで快適であった。
一番の関心は、静岡県と浜松市が遠州灘沿岸に2013年に着手した防潮堤の工事が、20年3月の完成目標に向けて大詰めを迎えているにとのことで浜名湖今切口付近の整備状況を見学した。
遠州灘防潮堤の整備は、天竜川河口から浜名湖の今切口までの県と市の海岸防災林の区域で、全長17・5キロとのことである。中田島砂丘付近と天竜川河口付近は何回かすでに見てきたので、今回は遠くから眺めるだけであった浜名湖今切口付近を見学した。
遠州灘防潮堤は、県第4次地震被害想定の最大津波高(レベル2)に合わせて海面から13~15メートルの高さである。大きな減災効果が期待される。
築堤の技術的なことは門外漢で承知していないが、セメントで固めた浜名湖今切口付近と盛土による中田島砂丘付近及び天竜川河口付近とはかなり異なっているように見えた。次の機会には資料館を訪れて、再度現地に行って、双方を比較してみようと思っている。
防潮堤に立って遠州灘を眺めたり、海岸に出て逆に防潮堤を見ると、その眺めは壮大で素晴らしかった。
一方、自衛隊OBとしては、この遠州灘防潮堤が地震津波による大災害の初動対処と事後の災害復旧にどのような役割を果たすのか、また、防波堤のない河口からの大津波の来襲と影響などはどのように変わるのか。有事に備えての地域住民に対する平時の防災・避難訓練など、どうあるべきかが頭をぎった。
実際に防災訓練を防潮堤で実施してみれば、不備改善事項がすぐにわかるものである。堅固となった巨大防潮堤の弱点はどこか、弱点に向かって集中する津波にどう対処するか、また、海岸で釣りなどをしていた者が防潮堤に避難したりする場合を一つ考えても、登り口が少ない。これから防潮堤に関する事前研究と訓練が必要となってくるであろう。
古来「災害は忘れたころにやってくる」と言われている。常日頃、トップが非常事態への認識が希薄であったり、住民の防潮堤への安心感と対処の心構えのないところに危機はやってくるからだ。新しい課題が生まれている。危機管理は初動対処が最も重要である。
❶ 巨大防潮堤と遠州灘海岸
❷ 巨大防潮堤
❸ 遠州灘海岸
❹ 浜名湖河口・今切口
《 令和2年3月9日 撮影 》