山門の人生の教示 花の香りは風に逆らえば匂わず、されど善き人の香りは風に逆らいても匂う

    2月1日.毎月のとおり墓参りをした。   毎月1日と15日は、欠かすことなく墓参りをしている。

    菩提寺の天龍山洞雲寺の山門掲示板には、2月は「花の香りは風に逆らえば匂わず、されど善き人の香りは風に逆らいても匂う」とある。

   「花の香りは風に逆らえば匂わず。されど、善き人の香りは風に逆らいても匂う」とは法句経の一文であるとのことである。

    この文句は、文字通りでよく理解できる内容ではなかろうか。こうした「善きこと」は、誰でもな何処でも感じたり、見聞、経験する事柄であるからである。「善き人」とは、私たちの周りを清々しい気持ちにさせる「行い」をしている人を指していると理解する。

    特別な善行でなくても、私たちの日常生活においては、他人が道に迷ったり、行き先が分からなくて困っている時にちょっとした手助けしたり、直接言葉はかけないがさりげない心配り、労わりや思いやりがこもった親切な行為、助言などは、人の心をほのぼのとさせてくれるものである。

   人の心を暖かくする「行い」、人の心を癒してくれる「行い」、人の心を揺さぶり感動と感謝を呼ぶ「行い」は花の「香り」のごとく伝わり社会と人の、周りを明るくしてくれる。人は皆助け合わなければ生きていけないものである。

    私たちの生活において、よく使われている言葉に、「一日一善」がある。かって広く世間に提唱されたことがあった。老若男女だれにでもできることだからであろうか。自分の立場で、自分なりに出来ることを行えばよいことであるからできるのだ。

    歳をとつても、自分に合った「一日一善」はできるものである。一日を振り返って、善い一日であったか自省してみると、一つや二つはあるものであることに気付くものである。心に秘めた「一日一善」は自らの心を豊かにしてくれるものである。

f:id:y_hamada:20200201093005j:plain

《  浜松市西区神ケ谷町天龍山洞雲寺山門掲示の令和2年2月のことば 》