がんとの闘い(60) 膀胱がん再発・転移にかかわる定期検査と所感

   今日、病院において膀胱がんの6ケ月ごとの定期診察を受けた。先週はCT検査、尿と血液検査、次いで膀胱鏡検査によっても再発、転移がないとの診断であった。長い道のりであったが、5ケ年間再発・転移がなく大きな峠を越した感じである。次の本年9月の定期検査は尿の細胞診検査のみとなった。


1.がん発病と治療の経過  
 膀胱がんの経過を見ると、次の通りであるが、手術後においては、日常的には普通の生活を継続しており、定期的に膀胱鏡等による検査によって注意深く経過観察を受けてきた。
❶ 平成24(2012)年9月突然1日だけの血尿に驚き、結石の疑いで近くのかかりつけで治療を受けるも早い段階で総合病院を紹介され、同年12月入院検査の結果、左腎盂がんと診断された。平成25(2013)年3月「左腎尿管全摘除術」を受けたが、その後、膀胱内にがん再発が認められた。
❷  平成25(2013)年10月「膀胱腫瘍手術(経尿道的手術)」受けた。
❸ 平成26(2014)年3月第1回目の膀胱鏡検査等で異常なしが認められた。
❹ 膀胱がんの再発予防のため、「 BCG膀胱内注入療法」を受けることにし、26(2014)年5月~6月にかけて6回、1週間ごと膀胱内にBCGを注入した。
❺ 平成26(2014)年7月第2回目の膀胱鏡検査等を行い再発・転移など異常がないことが認められた。
❻ 平成26(2014)年10月、27(2015)年2月第4回目、27(2015)年8月第5回目、28年3月第6回目、28(2016)年9月第7回目、29(2017)年3月第8回目、29(2017)年9月第9回目、30(2018)年3月第10回目、30(2018)年9月11回目、31(2019)年3月、第12回目の検査で再発・転移がないことが認められた。
❼ 平成31(2019)年9月、第13目の検査が予定されており、尿検査のみとなった。


2.手術後の再発・転移にかかわる経過観察(定期検査)に関する所感

がんの再発・転移の不安の克服と経過観察(定期検査)ついての受診
 がんになって手術を受けても、一番の心配は再発しないか、他へ転移することはないかということである。がん経験者の最大の関心事でもある。所定の経過観察を経て異常がなかったとしても、なおかつ心底には一抹の不安があるものであ。がんの世界で絶対大丈夫ということはないではなかろうか。
 何事にも楽天的な方であるが、左腎盂がんで左腎臓と左尿管全摘除術を受け完全に治ったと思っていたら、その後、膀胱内にがん再発が認められたのにはびっくりした。がんというものに対する知識と認識が不足していたのであった。
 こうしたことから、その後、がんに対するに認識は、膀胱がんは膀胱が存在する限り、膀胱内に再発する可能性は常にあると言えること、手術後は定期的に尿の細胞診や膀胱鏡で再発の有無をチェックする必要があり、初期治療後、3カ月、6カ月ごとの定期検査を確実に受けてきた。...
❷ 膀胱がんの再発・転移に関わる経過観察(定期検査)について

 私は、膀胱がん手術後の経過観察は治療の一環であると受け止めてきた。当然のことながら、がんが完治しているのか、この先に再発してくるのか、経過を注意深く観察しなければ分からないものである。

 手術後の経過観察(定期検査)は医学的・医療的な面はもとより、あらゆる面で患者自身にとっても心理的・身体的な面からも必要不可欠なものである。単に調子が良いからと自己判断して経過観察(定期検査)を受けなかったりしてはいけない。

 なぜ定期的に検査を受けるのか、その重要性と意義を考えるとき、がんは身体の一番弱いところを狙ってくるものであり、油断してはならない。

➌ 膀胱がんの経過観察期間(定期検査)と積極的に向き合う意思 

  多くのがんの経過観察期間は一般的に5年とされているようである。がんの種別・部位・内容などによっては、手術後5年、10年を過ぎてからでも再発することがあることから、さらに長期にわたる経過観察が必要になると言われている。

 がんの種別・部位・内容によって経過観察期間が異なるのは当然のことであろう。今回膀胱がんに関して5年間再発転移はなかったが、油断大敵である。単に喜ぶだけではなく、今後も積極的に定期的に所定の検査を受けたいと思っている。

 年齢に関係なく、がんと積極的に向き合う意思が自分自身を守ってくれるのではなかろうか。