元自衛官の時想(71)   エア・フェスタ浜松2018(浜松基地航空祭)事前訓練展示の基地周辺住民への公開

    先日、自治会の隣保回覧文書の中に、航空自衛隊浜松基地司令名の基地周辺の皆様へ宛てた「エア・フェスタ浜松2018事前訓練展示のご案内について」のチラシが回覧されてきた。これは浜松基地創設以来初めての事であったのでびっくりした。それにしても基地司令の素晴らしい英断と時機を得た広報施策であるとOBの一人として賞賛するものである。 

 従前から障害者の方の事前訓練の招待については承知していた。浜松基地ホ-ムベ-ジの「エア・フェスタ浜松2018に関する情報を掲載するページ」」によると、ご招待者(入場可能な方)は、自己の障害を証明する手帳をお持ちの障がい者の方(身体障害者手帳または精神障害者保健福祉手帳療育手帳等)及び必要最小限の介添者)とされている。)を招待して、基地所在航空機及びブルーインパルスによる飛行展示、航空機地上展示の一部を観覧いただける機会が設けられて好評である。

    当日は十数万の来訪者で会場がうずまるだけに、障害者の皆さんにとっては、落ち着いて航空祭の雰囲気や飛行展示を楽しんでいただける環境が用意されることは素晴らしい行事といえるであろう。

 一方、基地周辺の住民は、ブルーインパルスによる飛行展示の事前訓練を家の周りで空を見上げて見物してきたものだ。

 エア・フェスタ浜松(浜松基地航空祭)を実施するにあたっては、当日の本番に備えて事前の訓練を行うのは飛行安全上からも 必須である。当日の本番と全く同じことを訓練し飛行及び運営上の問題点を把握し改善を図り、当日の円滑な実施を図るものである。特にブルーインパルスによる飛行は空地の状況を綿密に確認することが必須である。
 毎年、基地周辺の住民は、基地,所在航空機及びブルーインパルスによる飛行展示が秋空に展開すると、明日はいよいよ「エア・フェスタ浜松(浜松基地航空祭)」が始まるよという知らせでもあった。浜松の一つの秋の風物詩ともなっている。多くの住民が前日及び当日の2回にわたって、華麗な飛行を空を見上げながら見物してきたものである。

 ブルーインパルスによる飛行展示は、前日快晴で当日降雨でということもあるが、こうしたときには、前日にしっかりとブル-の雄姿を眺められるので浜松住民の冥利というものであろうか。ブルーインパルスの発祥の地は浜松であり、飛行展示が始まると、町中の人が戸外に出たり、仕事の手を休めてブルーが描く輪を見上げるほど住民の関心は一層強いものがある。

 また、当日は会場にいてもブルーインパルスの出発から着陸・エンジン停止までの一連の状況は、あまりにも観覧者が多く、人人の列でうずまり、よほど前列に位置していない限り見ることができず、空中の飛行展示だけを見ることができるほど人気がある。
 地域住民への感謝を込めて事前訓練を公開し、事前訓練をさらに有効に活用する今回の英断は、基地警備等について基地側の負担がさらに大きいものになるものと思われるがそれをあえて決断されたことに敬意を表するものである。 航空自衛隊の基地運営は、基地周辺の住民の理解と協力が不可欠である。

    浜松基地は、航空自衛隊発祥の地であり、教育メッカの基地である。今回の英断によって浜松基地が益々繁栄し、国家・国民の守りの基地となってもらいたい。

    ブルーインパルスは、航空戦力、実力の象徴である。指揮官の指揮統率力、操縦者の技量・練度・士気・チームワーク・戦技能力、教育訓練から整備力など後方支援等の総合されたものの結晶である。こうした視点で飛行展示を見ていくと、ブルーの飛行展示の奥深いものを知ることができるであろう。

*  障害者のご招待については、浜松基地ホ-ムベ-ジ-「エア・フェスタ浜松2018に関する情報を掲載するページ」を参照してください。  

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《  エアフェスタ浜松2018事前訓練展示の基地周辺住民へのチラシ 》