元自衛官の時想(100) 新型コロナウイルス感染拡大防止と緊急事態のトップの状況判断、決心、実行(4)

    今夕、鈴木直道北海道知事は、新型コロナウイルス感染が深刻な状況であると判断し、道庁においてテレビ中継等を通じて「非常事態宣言」を発した。

   トップが直接道民に力強く呼びかけた姿勢は立派である。先日来、的確な状況判断、対処措置の迅速な決断と実行を行ない、見えない脅威・コロナウイルス対処について、断固として道民を守るという固い決意と気迫、決断に全責任を負う覚悟が感ぜられたことは、非常事態におけるトップのあるべき姿である。

    同じく、今夕、静岡県にも感染者が1名発生したことが報じられた。静岡県でも知事、市長から緊急対処策が発表された。

    先日、シニアクラブの会長として、すべての集合活動を当分の間、一時休止することを決断し、単位クラブとして取りうる最大の対処を行なった。

    小さな組織であっても、雑音や批判に惑わられることなく、会員たる高齢者を守るため敢然として措置事項を決定し、その結果について、全責任を負うことは会長の責務であると平素から考えており、当然の行為であった。

    今日は、終日、家で静かに過ごした。少し風邪気味であったので体調を整えた。

   寝転んで、テレビを観ると、各チャンネルで、「新型コロナの影響拡大に対応した安倍首相の緊急要請「全国で一斉休校」をテーマした番組が続いていたが、SBS静岡放送で並み居るゲストの中で、元宮城県知事浅野史朗氏が、総理大臣の要請は、「国難であり、当然の措置 」の認識と発言は、かって県民の生命保護のトップ を経験された方であるだけにさすがと光った。

新型コロナウイルス拡大防止についての所感】

1  国家のトップリーダーの決断に対する全幅の信頼と信任

    総理大臣の一斉休校要請は新型コロナウイルスの感染拡大の状況推移からして、当然な決断措置であった。国家のトップリーダーは内閣総理大臣であり,緊急事態における最高の決断者である。また、トップへの全幅の信頼と信任なくして緊急事態は乗り越えられないものだ。

     特に、国家の基本となる憲法に緊急事態条項が明記されていない状況下では、諸法令で可能な措置で対処する以外にない。したがって今回の決断は、現行法令によるギリギリの段階で全国一斉休校要請に至ったものと推察する。対処が早かったか、遅かったか、的確な措置であったかどうかは早晩わかる事柄である。

 中国から発生した今回の新型コロナウイルスに対する対処は、各レベルのトップは、状況判断し、先行して対策処置を立案していたものと考える。それはトップたる者の責務であるからである。緊急事態においては最悪の事態を想定し、総理大臣・各大臣・都道府県知事、市町村長はじめ各界において、ぞれが対応策を検討し、対処する体制を確立していたはずである。また、政治家・政党は最善の対処策を持ち合わせていたはずである。

 小さな末端のシニアクラブでも、新型コロナウイルス感染に関する対処策は早い時点から持ち合わせていた。あとはどの時点で対応策を決断するかであった。  

2   国難・国家の非常事態・緊急事態であるとの認識の希薄

 今回の新型コロナウイルスに対して、未だに、国難・国家の非常事態・緊急事態であるとの認識の希薄が感じられる。平和ボケして平時と有時・非常事態・緊急事態についての認識iついて、新聞テレビ等の論調などを拝見していると、ずれが感じられるが私の独断・偏見であろうか。

 国家を挙げての「見えない敵・コロナウイルスとの戦い」の最中であるということの認識が薄いように見えてならないのである。

     県知事の中にも、事態の認識の相違や決断に躊躇している状況が見られるようだ。こうした認識の相違から最悪の事態を想定した対処に違いが出てきている。

3  自分を守る、家族を守る主体性を持った対処策の考えと行動
 未知のコロナウイルスを封じ込めるに国家を挙げての大作戦に、受け身のやらされるといった消極的なものの考え方や姿勢であると、不平不満、批判が出るだけである。むしろ、各レベルの対応策について、さらに付け加えたり、これを上回る対策を提言し、実行することが求められているのでななかろうか。

  見えない敵・コロナウイルスとの戦いは、被害者の立場や被害者意識ではなく、見えない敵と対峙する主体者であるとの認識が必要ではなかろうか。

 

2月28日NHK放映

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