昭和の航空自衛隊の思い出(452) AC&W部隊のワッペン(シンボル・マ―ク)(7)

    昭和の時代、AC&W部隊は、飛行部隊に負けじとワッペン(シンボルマ―ク)を制定していった。昭和61(1986)年11月コントロ-ラ-親睦会機関誌「NEWAGE】」に掲載されたものである。
 昭和の時代に制定されたシンボル・マ―クは、実に昭和の時代と部隊の状況を如実に反映しているように思われる。「シンボル・マ―クの由来」と合わせてワッペンを眺めると往時の状況が眼に浮かぶようである。数字の若い部隊から紹介することにします。
 平成時代を経て、令和の時代の各部隊のシンボル・マ―クは部隊改編等により新しいエンブレムとしても統一されているようである。

航空自衛隊レ-ダ-サイト】

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《 航空自衛隊AC&W部隊・レ-ダ-サイト、出典ウイキベキア参照 》

* 平成29年7月 南西航空警戒管制隊は、南西航空警戒管制団となった。


【現在の感慨】
❶   空幕人事課人事第2班長当時、准曹士担当として、北辺サイトの人事管理と異動交流に資するため厳寒の根室奥尻サイトを訪れたことがある。厳しい勤務環境にかかわらず、立派に職務を遂行する隊員の状況に触れ、固い決意で異動交流に力を注いだことが思い出された。
❷   根室のシンボル・マ-クの主題となった「花咲カニ」と「千島桜」は印象に強く残った。「花咲カニ」を賞味し、郷里の「松葉カニ」を思い出したものである。また、昨年は、唄鳥羽一郎・作詞高橋直人・作曲斎藤覚の「千島桜」をよく唄ったものである。北辺の地に立って千島列島をじっと眺めたことがよみがえった。

➌ 在隊間に網走を訪れる機会はなかったが、コントロ-ラ-の同期から便りをいただいたものである。流氷とハマナスが強く印象に残った。井ノ口3佐とあるは井ノ口茂人君であろうか。

❹ 大滝根は、嶺岡の隣接サイトであり、交差訓練のほか厳寒の冬季において約1か月支援で勤務したことがある。シフト勤務のクル-に入って一緒に勤務した。冬場の勤務の厳しさを経験したことが強く印象に残っている。

 短期間の交差訓練と一味違い、他サイト勤務を通じて経験したことがその後の自衛官生活、とりわけ「人生至るところに青山あり」と考えるようになった。どこの勤務地であろうが進んでいく基盤が築かれたことを覚えている。

❺ 昭和と令和の時代のシンボルマ-クを対比させてみた。用語の使い方からデザインとその意味など時代の変遷を読み取ることができる。

    根室、大滝根のデザインの変化、網走の継承に興味は尽きないものがある。どんなに時代が変わっても各サイトの任務は同じであり、シンボルマ-クに込めた部隊・隊員の意気込みが強く感じられる。

昭和の時代  第26警戒群 ( 根室)   のシンボル・マ―ク

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令和の時代      第26警戒隊( 根室) Emblem  出典  第26警戒隊ホ-ムペ- ジ 

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【制定】
 平成9年6月13日
【意味】
 マーク中央の鷲は、航空自衛隊のシンボルであり、その中でも道東地域のみに生息する尾白鷲をデザインしたもので この鷲が道東の空を睨み続けているところをイメージしたものです。また、マーク下部の26を囲む赤い円は、日本で最も早い日の出を迎える根室の地に因み、日の出の太陽を表現したもので「希望」と「躍進」を意味するものです。

昭和の時代  第27警戒群 ( 大滝根) のシンボル・マ―ク

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令和の時代  第27警戒群 ( 大滝根)    出典  第27警戒群ホ-ムペ-ジ

 

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 昭和の時代  第28警戒群 ( 網走)   のシンボル・マ―ク 

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令和の時代      第28警戒隊 ( 網走)  Emblem  出典 第28警戒隊ホ-ムペ- ジ  

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【制  定】昭和49年6月1日
 緑の大地、青い海と空、大自然に恵まれた第28警戒隊の紋章は昭和49年6月1日に当時の第28警戒群紋章として制定された。
【意  味】
オジロワシオホーツク海の空の守り、警戒任務
流   氷:オホーツク海の厳寒の厳しさ
ハマナス:隊員の融和と団結、そして士気の高揚

 オジロワシは、北海道知床連峰に生息し、その名の如く尾が白く翼長は1mを越え、空の王者としての風格は抜群。
 流氷は、オホーツク海一帯に1月中旬~3月下旬まで接岸し、大流氷原となり、朝夕寒暖計の水銀柱を-20℃~-25℃まで引き下げる。
 ハマナスは、夏に紅色芳香美花に咲き乱れ初秋深赤の実を付け、観光地網走への旅情をプロローグする。