1 航空自衛隊調査隊初代副司令へ補職
❶ 航空自衛隊調査隊副司令
昭和の63年(1988 年)7月1日、防衛庁長官の直轄部隊である航空自衛隊調査隊副司令を命じられた。調査隊に副司令・1佐職が新設されことに伴う人事発令であった。したがって、初代の副司令ということになった。
六本木における中央勤務は、昭和60年8月航空幕僚監部人事課勤務となり、人事第2班で先任班員、次いで班長として准空尉、空曹及び空士自衛官に関する人事業務に従事して約3年6月が過ぎようとしていた。
航空自衛隊調査隊の隊本部は六本木の防衛庁施設内に所在していることから、引き続き、六本木勤務となった。
❶ 人事発令
2 航空自衛隊調査隊の任務と運用に関する訓令
航空自衛隊調査隊の任務と運用については、防衛庁長官の発する「航空自衛隊調査隊の任務と運用に関する訓令」(昭和44年6月28日)によって定められていた。
調査隊の任務は、「航空自衛隊の部隊保全に必要な調査並びに資料及び情報の収集整理を行うことを任務とする。」、調査隊司令は、「調査隊の長は、調査隊司令とし、防衛庁長官の指揮監督を受け、調査隊の隊務を統括する。」「調査隊本部の事務は、調査隊司令が掌理する。」と定められていた。
➌ 副司令の設置に伴う航空自衛隊調査隊訓令の一部改正
調査隊副司令の設置に関して、調査隊副司令に関する項目が、 昭和63年6月28日、防衛庁長官の発する「航空自衛隊調査隊の任務と運用に関する訓令の一部を改正する訓令」が定められ、昭和63年7月1日施行された。その内容は次のとおりであった。
『調査隊に、副司令1人を置く。」「副司令は、調査隊の隊務につき調査隊司令を助け、調査隊司令に事故あるとき、調査隊司令が欠けたときは、調査隊司令の職務を行う。」と定められた。
➌ 副司令に関する関連の訓令等の一部改正
調査隊副指令の設置に伴い、防衛庁長官の発する「俸給の特別調整額に関する訓令の一部を改正する訓令、防衛庁人事局長の発する「補職の「職」及び「部隊・部課室等」の範囲の指定の一部改正」(通知)、航空幕僚長の発する「任命権に関する訓令に規定する指定部隊等及び指定部隊等の長の指定等について(通知)の一部変更}(通知)、及び「勤務評定の実施に関する達の一部を改正する達」が定められた。
副司令は、隊員の勤務評定に関して、自衛官1尉~3尉、事務官等3~5級の評定官、自衛官准尉、曹、事務官1・2・級の調整官となるなど所定の職務と責任が法令面で明示された。
3 当時の六本木の防衛庁施設
4 指揮官と副指揮官の立場と責務
航空自衛隊調査隊は、全国の主要基地に地方調査隊を配置しており、全地方調査隊を束ねる調査隊の副指揮官を拝命し身が引き締まる思いがした。
幕僚勤務と異なり、司令室に併設して副司令室が設けられた。当時、空幕では、班長は全員が班員と一緒の部屋で勤務していた。また、課長と言えども特定の課長を除き、班長同様に数個班と一緒のいわゆる大部屋に机を置いていた。
こうした面では、自衛隊組織は部隊指揮官と幕僚の職務と責任が明確であり、その処遇も歴然としていた。
自衛隊では、部隊指揮官の交代があると、礼式訓令、達に基づき着任式及び離任式が行われる。世界の各国軍隊も同じである。自衛隊部隊の指揮官及び指揮権の継承は厳粛なものであるからだ。
指揮権は、自衛隊法に基づく部隊を指揮する合法的な指揮権限の行使である。副指揮官は指揮官が欠けたとき、指揮ができないとき、指揮官に代わって指揮をする立場にある。
したがって、副指揮官の交代時も指揮官に準じ、着任及び離任行事が行われるのが通例であった。
5 着任行事
❶ 7月1日の着任行事は、ぎっしりと決められており、計画とおり進められた。最後の歓迎会で1日の行事を終えた。
❷ 着任の挨拶
➌ 副司令室