元自衛官の時想(80) 地域の活動と激戦の市議会議員選挙を顧みて

1     地方選挙

    今日は地方統一選挙の投票日である。当地は、浜松市長選挙、浜松市議会議員選挙及び区再編住民投票の三つであった。静岡県議会議員選挙は定数2に対し、立候補者で無投票で当選が決まった。

    浜松市長選挙は3名、西区の市議会議員選挙は定数6に対し、立候補9と激戦であった。

2   地域での活動

    自衛隊退官以来、30年にわたり地域に定住した。まもなく満84歳となり、この遠州の地に骨を埋めることとなる。

   ふるさとは鳥取県であるが、第2の人生は家内の里・浜松の神久呂にどっしりと根をはるようになると、やがて、自然に、自治会副会長・会長等の役員や地域の諸団体の役員をやるようになった。  

   前職時代は国家国民のための国防任務であったが、退官後は地域住民の一人としで、地域の発展やすみよいまちづくりの推進の中核となって活動するようになった。

    退官早々に、新しい仕事となった自動車保険料率算定会(保険料率算出機構)調査事務所勤務をしながら、陸海空3自衛隊のOB団体である隊友会支部長を拝命し、地域社会に役立つ「一人一役運動」を提唱した。自衛隊入隊以来の所信であったからであり、自ら率先して実行した。

    隊友会が発足以来、第一線の現場における支部活動では、隊友の多くが地域の自治会・連合会の会長等の役員、各種団体の代表者、各種ボランテア団体の代表者や活動、シニアクラブの会長等の役員、神社等の総代、民生児童委員、調停員など多種多様な分野で活躍しており、今日も同じ状況が続いている。

    その背景は、多くは隊友が自衛隊で培った知識・経験を生かして積極的に活躍する素地があるということではなかろうか。とりわけ組織運営に必要な企画力、文書力、調整力、指揮・実行力に富んでいる特質を有していたからである。日頃の誠実にして黙々と職務を全うする実績から、期せずして地域住民から推挙されることが多いようである。

3  地域における議員と選挙

    現職時代は、政治的行為に関与せず、選挙は投票するだけであったが、退官して、地域に住み地域の自治会長等を経験すると市会議員選挙等へのかかわりが出てくるようになる。

    地域社会に住んでみて強く感じたのは、住民の総意により地域から代表者を市議会へ送りたいとの思いは熱烈なものがあり、昭和30年代から絶えることなく地元から市会議員を送り出している。

    改選期となると、自治会長等の経験者の立場から地域推薦候補者の選考にも関わることになった。いつの間にやら、町内の長老格となってきたので、こうした関わりはこれが最後となるであろう。

    今回は、各種団体・シニアクラブ地区代表として地元候補の事務所開き、出陣式、決起大会などで激励の言葉を送った。地域は様々な諸問題、課題を抱えている。これが解決のためには国・県・市のパイプ役や政策推進、実現のため市議会議員の存在は大きいものがある。私は今回の市会議員選挙は、激戦区であり、地域の発展・盛衰をかけた戦いであると強調してきた。

 夕方8時半から選挙事務所に出かけ、開票状況を見守った。当選のラインに達したときには、支持者で埋まった会場内は拍手が鳴り響いた。議員の5期の当選を祝してお茶で乾杯をした。地域住民と各町が結束する選挙は、やがてまちづくりに大きな成果をもたらすであろうことを確信する。

    選挙戦へ投じた地域住民のあらゆる階層のエネルギーはすごいものがあった。この熱意と行動力を地域のまちづくりに指向すれば必ずやすばらしい地域の発展を期することができるであろうと思った。