83歳老いる雑感(55) 足から来る身体機能低下と自分との戦い

   歳をとったら「足からくる」とはよく言ったものだ。歳を重ねるごとに次第に下肢が弱り動けなくなるからだ。杖をついて歩けるうちはまだ良いが、多くの方は諦めて歩くことを止めてしまう。歩かないでじっとしているとさらに体の機能が低下してくることになる。それに付随して心が弱くなってくる。

    最大の問題は、心が弱くなり、甘えの心が生まれてくることではなかろうか。人の心は強そうで弱いものだ。楽な方に傾くようになる。甘え出したらきりがなく、低下の一途をたどることになる。

    健康寿命は、歩く機能を維持する、甘えの心をなくすることによって少しでも長く保つことができるのではなかろうか。  歩けなくなる時期をいかに遅くするかはその人の考え方、生き方によって決まったてくる。

    シニアクラブでも、先輩たちは、格好より乳母車を引いてでも活動の場である神原会館にやってきた人は最後まで元気に暮らしさよなら往生された。それに対して、歳だから下肢が弱ったから会館に出かけるのは止めたと自認した人は早くから高齢者介護施設に入っていく事例が多いように見受ける。

    これからのことは全く分からないが、80路を進むようになってからの人生は、いかに自分の足でしっかりと歩く機能を維持するかの「自己との戦い」でもあるように感じている。

   下肢が弱ってくれば、じつとしておれば楽である。家人に全てを手助けしてもらえたら楽であるが、これに甘んじていたら際限がなくなる。この「甘えの心」をどれだけコントロールできるか今後の課題となってくるであろう。家族愛という錦の御旗で、周囲もついついそれを許したり、認めてしまうようになるから下肢力は坂道を転がるごとく低下してくる。他山の石と言われるほどその事例を見てきた。

    健康寿命と下肢力、日常生活の質とは密接な関係にある。今のところ、適度にウオーキングもしているので心配はないようだが、いつの日か本当に動けなくなる時期かやってくであろうが、いかにしてその時期を遅くしどのように深刻な状態にならないように程度をおさえるかは自己との戦いではなかろうか。

 わが町の風景

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