がんとの闘い(60)  生き残った一つの腎臓とeGFR(推算糸球体濾過量)

    3月は、膀胱がんの6か月検査を控えている。がんで腎臓の一つは摘出してしまったので、残された もう一つの腎臓が私の命を保ってくれている。これが不調になれば天運に任せる以外にない。普段は特に気にすることもなく過ごしている。しっかりと水分は摂って腎機能の維持に努めている。今まで異変もなく経過しているので残された腎臓様様で「よく働いていてくれてありがとう」とその働きに感謝している。

 そこで、先日は循環器関係の4か月に一回検査で、血液・尿・心電図・レントゲン検査を受けた。その中で、生理機能検査「EGFR」があるので、自分の一つだけの腎臓はどのくらいの働きをしているのかを注目した。

 今回は、基準値60~120に対して、56.4であった。毎回同じような数値である。一つの腎臓で本来の二つの腎臓の役目を果たしてくれている。片翼のエンジン一つで飛行機が飛んでいるようなもので、その働きに感謝あるのみである。まさしく生かされいる命でもある。ありがたいことだ。

 eGFR(推算糸球体濾過量)については、ネットで調べてみると、次のように説明があったので三つを例記してみた。

  eGFR estimate glomerular filtration rate

〇 eGFR(推定糸球体濾過量)   中国労災病院中央検査部ホ-ムベージ 出典     
 尿は腎臓の糸球体というところで血液を濾過して作られます。この濾過される量をGFRといい、これを腎臓の機能として評価します。
 クレアチニンは筋肉がエネルギーとして使ったあとに出てくるゴミのようなもので、毎日決まった量が腎臓から捨てられます。 腎臓に障害があると濾過量(GFR)が減少します。クレアチニンは濾過されずに体内に溜まってきます。このクレアチニンが増加する程度からGFRが求められます。
 ただし、クレアチニンは体の大きいひと(正確には、筋肉量の多いひと)ほど多く出てきますから、正確なGFRを求めるには体の大きさを考慮しなければなりません。 そこで、年齢とか性別を考慮していますが、それでもアバウトなGFRであることに変わりはありません。それで推定GFR(eGFR)というのです。 これにより慢性腎臓病を早期発見し、早期に治療を開始することができるようになります。」

〇 eGFR(推算糸球体濾過値) 東京女子医科大学病院 腎臓内科ホ-ムベージ出典

 正確に糸球体の濾過機能を測定するためには、クリアランス検査というものが必要です。クレアチニンやイヌリンという物質がある一定時間の尿の中にどのくらい排泄され、どのくらい血液の中に残っているかを測定して、濾過機能を評価するものです。正確性は高いのですが、24時間もしくは2時間の尿を溜める必要があり、簡単にはできない検査です。
そこで、多くの人のクリアランス検査の結果を利用して作られたのが、eGFR(推算糸球体濾過値(estimated glemerular filtration rate)というものです。これは、血清クレアチニン値、年齢、性別から推算するもので、多くの医療施設で腎臓の機能を表す値として最も多く使用されています。

〇 推算糸球体濾過量(eGFR) 全腎協ホ-ムベージ 出典

 推算糸球体濾過量(eGFR)は、どれくらい腎臓に老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の機能が悪いということになります。
eGFRは健康診断で測定するケースもあるので、健診結果を確認してみましょう。