航空自衛隊第1期操縦学生(62 ) 航空学生出身者の団司令(将補職)への登用と 最近における航空自衛隊航空学生の応募及び採用状況の推移

 戦後初の自衛隊の航空学生制度、とりわけ航空自衛隊の航空学生の状況については、かって籍を置いた第1期航空学生(第1期操縦学生)出身者としては、いつの時代も気にかかるものである。

1   航空学生出身者の団司令(空将補職)への登用 

 特に、航空学生出身の優秀者の将官への昇進と将補ポストへの登用については、航空学生の処遇に関わる事であり最大の関心をもって見守ってきた。平成の初めの時代、第1期からは菅原淳君が1等空佐で航空安全管理隊司令(空将補職)に配置され、次いで空将補に昇進し第4航空団司令、兼ねて松島基地司令(平成3年(1991年)7月~4年(1992年)6月)に補職された。これが航空学生出身者の将官配置への第1号であった。

 最近の状況を見ると、第12飛行教育団司令かねて防府北基地司令に、37期山頭彰1等空佐が平成27年(2015年)8月~30年(2018年)が補職され、空将補で退官された。次いで38期 浜 博志1等空佐 が平成30年4月 同職に補職された。

   古来.「補職は人を育てる」と言われている。優秀な人材を登用することは、航空自衛隊の士気を高め、精強化につながり優秀な人材を確保することができる。

   防衛省自衛隊自衛官募集ホ-ムペ―ジによると「航空自衛隊第12飛行教育団は、航空教育集団の隷下部隊として、航空学生課程の他、飛行準備課程、初級操縦(T-7)課程の教育、操縦適性検査および基地機能の維持のための業務を行っています。
航空学生課程では約2年間、パイロットになるための訓練や将来幹部自衛官になるために必要な訓練を行います。卒業後は、飛行準備課程、初級操縦(T-7)課程へと進みます。現在、航空自衛隊パイロットの約7割は航空学生出身者です。」と紹介している。 

2  最近における航空自衛隊航空学生の応募及び採用状況の推移 
 平成30年版の防衛白書によると、本年4月に入隊をした平成29年度航空自衛隊第74期航空学生は応募者数2,309名(うち女子227名)に対して採用者数68名(うち女子5名)で、競争率は34.0(女子45.4)倍と公表されている。
 創設期の第1期操縦学生の入隊207名・34倍と比べても大変な競争であることを知ることができる。また、その他の各種採用試験とも比較するとその厳しさが理解できる。

 平成23年度~29年度の航空自衛隊航空学生の応募及び採用の推移を各年の防衛白書より抜粋整理したものである。
年度(期)・応募者数・採用者数・競争倍率
23年度(68期) 2,823(197) 39(1) 72.4(197.0)
24年度(69期) 3,062(182) 49(2) 62.5(91.0)
25年度(70期) 3,114(217) 45    69.2
26年度(71期) 2,908(233) 50(4) 58.2(58.3)
27年度(72期) 2,820(255) 52(1) 54.2(255.0)
28年度(73期)2,833(281)  66(6)    42.9(46.8)

29年度(74期)  2,309(227)  68(5)   34.0(45.4) 
( )は女子で内数

3   平成29年度自衛官などの応募及び採用状況
  30年度版防衛白書 出典

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