1 高齢者の恩返しの社会奉仕・貢献
❶ 捜索ボランティアで2歳児の発見保護ニュ―ス
先日は、3日間不明の2歳児が見つかった明るいニュ―スにホッとした。
捜索ボランティアに参加し、捜索を始めるや単独で捜索ポイントを設定し、短時間で、男児を発見保護した78歳の尾畠春夫さんが世間の注目をあびた。聞いてビックリ、尾畠さんの恩返しの社会奉仕精神・意欲、気力体力・行動力・洞察力と奉仕活動歴は後期高齢者にしては驚異的な素晴らしいものであったからだ。
尾畠さんが65歳にして、現役を退いてからの行動と社会奉仕活動歴が明らかになったが、当たり前のことをしたと、奢ることなく、淡々として語る78歳の尾畠さんの姿は、実に爽やかで全国民が感動した。
❷ 高齢者の「恩返し」の社会奉仕
突然、時の人となり、新聞テレビに登場した小畠さんの数々の「恩返し」の社会奉仕は素晴らしいものだ。「恩返し」という活動を黙々とやり遂げて来た結果の一つが今回の2歳児発見保護となった。
こうした積極的な高齢者の生き方は、後期高齢者の一つの指標となりうるものである。尾畠さんのように誰にでもできるものではないが、同じことを真似るのではなく、自分の置かれた環境、体力気力、趣味、性向に合った分野で何らかの社会奉仕・貢献ができることを示したものではなかろうか。
私自身を取り巻く環境においても、自治会活動しかり、花いっぱい活動しかり、 隊友会浜松支部の活動の一つ、「一人一役」運動を推進した狙いも地域における社会奉仕・貢献にあつた。
シニアクラブ浜松市や神原会の主要な活動にも社会奉仕を掲げている。誰でもその気になれば、自分に合った社会奉仕の機会はあるものだ。これは自分の胸の内に秘めて実行することができる。
❸ 社会奉仕・貢献は実践・実行
社会奉仕・貢献は、理屈ではなく自から実践・実行あるのみである。その基盤をなすものが健康ではなかろうか。高齢者がどんな社会奉仕をするにも、自分の意思と身体でやらなければならないからだ。また反面、目標を持った社会奉仕活動が心身に刺激を与え健康を呼ぶ良い循環を結ぶことになるからこの世は面白い。
こうして見ると、社会奉仕は身近なことであれば、時と場所はいくらでもある。自分のやり方でやれば良いからだ。
《 テレビ映像をカメラで撮影 》
2 尾畠春夫さんの恩返しの社会奉仕
男児発見の尾畠さん「恩返し」の奉仕活動 被災地や山で20年以上
山口県周防大島町で行方不明になっていた藤本理稀ちゃん(2)を発見した尾畠春夫さん(78)=大分県日出町=は20年以上、災害被災地や山などでボランティアに取り組んできた。「人に、世の中に、恩返ししたい」が口癖で、2016年に大分県佐伯市で行方不明になった女児(2)の捜索にも携わった。「人の命より重いものはない。尊い命が助かってよかった」と涙を浮かべた。
尾畠さんは14日に山口県周防大島町に到着し、理稀ちゃんの家族に自分が見つける決意を伝えた。15日午前6時ごろから単身、裏山に入り、30分ほどで沢沿いに座っていた理稀ちゃんを発見。バスタオルにくるんで抱きかかえ、約束通り、家族に引き渡した。
親族によると、尾畠さんは65歳まで大分県別府市の鮮魚店に勤務。40代で登山を始め、休日は由布岳などを登っていた。「今の自分があるのは周囲のおかげ。社会に貢献したい」と自費で登山道の清掃や案内板の設置を続け、14年には環境省表彰を受けた。
被災地支援にも取り組み、東日本大震災では宮城県南三陸町で家族写真など「思い出の品」を捜すボランティアに従事。熊本地震では熊本県益城町で、他のボランティアを統率し、がれきの撤去などに当たった。
16年12月には女児(2)の捜索に加わり、無事に見つかった。「行方不明者のニュースを見ると『早く見つけてあげないと』とすぐ車に乗り込み、現地に向かっていた」と親族。「これまでの経験が、今回の捜索に生きたのかもしれません」と話した。
=2018/08/16付 西日本新聞朝刊=