元自衛官の時想(59)西日本豪雨災害及び捜索救助活動と初動対処への関心

1 西日本豪雨災害と捜索救助活動   

 新聞・テレビのニュ-スは、西日本を中心とした豪雨災害と捜索救助活動を報じた。 台風7号と梅雨前線の影響による記録的な大雨は7日も降り続いた。西日本を中心に、河川の氾濫や土砂崩れなどの被害が拡大し、これまでの記録を大きく上回るような歴史的な豪雨災害となっている。各地で捜索救助活動が続いている。

 内閣官房ホ-ムベ-ジによると、菅義偉内閣官房長官は、7日、「7月5日からの大雨について」次のように発表している。

 「5日以降の前線による大雨により、各地で河川の氾濫、土砂災害が発生いたしております。これまでに、死者4名、心肺停止6名、行方不明2名のほか、土砂崩れに巻き込まれた方々など救助が必要な事案、100件以上把握しております。現在、警察・消防・自衛隊が約4万8千人の体制で人命を第一に、捜索、救助活動を行っております。
 政府では先ほど、午前10時より関係閣僚会議を開催し、会議の冒頭、安倍総理から、人命第一の方針の下、救助部隊を遅滞なく投入し、被災者への救命、救助に全力を尽くすこと、先手先手で被害の拡大防止に万全を期すこと、被災府県、被災市町村と緊密に連携して、住民の避難、被災者の生活支援、ライフラインの復旧などに当たること、以上の指示がありました。これを受けて、官邸危機管理センターの体制を官邸連絡室から官邸対策室に格上げし、総理指示を踏まえて、先手先手で対策を講じているところであります。明朝も関係閣僚会議を開催し、対応に万全を期すことにいたしております。
 西日本と東日本では、今後も断続的に降り、過去の大雨を大きく上回る記録的な大雨となるおそれがあります。土砂災害や河川の増水、氾濫に厳重に警戒するとともに、自治体や気象台が発表する避難勧告や気象情報等に留意し、早めの避難を心がけるなど、安全確保に努めていただきたい、このように思います。」

 今回、数十年に1度の異常な大雨に、気象庁が最大の警戒を呼びかける「大雨特別警報」が計8府県に出され最大級の警戒を呼び掛けた。

 その原因は何なのか、メカニズムについては今後詳細に解明されるであろう。

2 非常災害発生で最も関心のあること

 自衛隊OBのわたくしが、この種の非常災害情報で最も注目するのは、発生後の対処である。自衛隊用語でいうならば「初動対処」である。災害発生を知るやいつどのように関係機関が迅速に対処したのか、内閣、自衛隊・警察・消防等がどのように動いているかである。県及び市町村についも同様である。その後の対処は当然のことである。

 その対処状況を最も正確に理解できる資料は、関係省庁の報道発表資料ではなかろうか。だれが、いつ、どこに、どうしたかが確認できるからである。

 被害状況については、新聞テレビの写真・映像が最も直視的であるが、部隊等の行動はよくわからない。今回の対処については、内閣官房ホ-ムベ-ジ及び防衛省ホ-ムベ-ジによると、防衛省は「平成30年7月5日からの大雨に係る災害派遣について」、7月7日20時30分現在の災害派遣の概要、災害派遣に至るまでの経緯及び防衛省自衛隊の対応(活動部隊、活動規模、主な対応状況)を発表された。B4にして10枚の内容であった。

 新聞テレビの情報と合わせてネットで、内閣官房ホ-ムベ-ジ及び防衛省ホ-ムベ-ジなどで確認することにしている。こうした関心は自衛隊時代にいついかなる時でも非常呼集に速やかに対応するという信念が骨の髄までしみ込んでいたせいであろうか。この性分は退官してから何十年もたっているのにどうも変わらないようだ。