元自衛官の時想( 53) 航空自衛隊OB団体つばさ川柳 への投句集(1)

    平成2年4月 航空自衛隊を退官すると同時に、航空自衛隊OBで組織している「つばさ会」へ入会した。

     退官後の第二の人生の途中で、つばさ川柳の主宰・選者が願法満氏に代わられたのを機会に、平成14年から18年まで、つばさ会川柳同好会の会員となり、年4回の投句に毎回参加するようになった。その後、平成19年から24年ごろまで一時自治会活動や病気で休止したことがあったが、平成25年から再び参加するようになり、今日まで相変わらず投句を続けている。つばさ川柳の投句は、最近、課題句2句と自由句3句をもって参加している。

1    つばさ会川柳のきっかけ

   川柳を作ってみようと始めた背景には、航空自衛隊在隊間において、年末の忘年会等では一年間の総決算として、上司・同僚・部下の立場から見た勤務ぶり、人物像、特色などを川柳的な発想で文句を作り発表する機会を作り融和を図ったものである。また、隊員の転任、退職にあたっては同じ発想で川柳的な形式にして思い出をこめた文章を作り贈ったりしたものである。

 こうしたことがあって、その後、「つばさ会だより」に掲載される先輩たちのつばさ川柳に触発されて興味を抱くようになり、つばさ川柳同好会に仲間入りをさせてもらうようになった。

2   川柳句はわが心の遍歴

 今回、終活整理の一環として、つばさ会の機関紙である「つばさ会だより」に登載された自分の作品を整理してみた。初回の投句から今日までを顧みると、国内外の情勢、私自身を取り巻く社会・生活環境の推移に伴う「心の中と動き」が当時の作品の中に反映されており、往時のさまざまなことがよみがえり、わが胸に万感迫るものがある。まさに心の遍歴でもある。

3   投句した川柳句の整理

 整理をした背景の一つに、最近心配しだしたのことは、偶然ではあっても、詠んだ句が過去のものと全く同じものになって投句することを危惧するようになったことである。投句するときには家内に一度チェックしてもらおうと思って整理をすることになった。

 よく見かけるのは、後期高齢者ともなると、同じことを何度も同じ人に同じことをしゃべっている人に接することが多くなったからである。まさに他人事ではなくなったからである。そのことが歳をとったということであるからだ。

4    つばさ川柳投句集

 今回は、つばさ川柳に投句し始めた平成14年から16年1月までの間、「つばさ会だより」に掲載された吟句を紹介する。

 つばさ川柳の選者は、願法みつる氏である。願法氏は、自衛隊OBで大体同じころに航空自衛隊を定年退官したと記憶している。埼玉川柳社代表で「川柳さいたま」編集人・発行人をされており、つばさ川柳でご指導いただいてきた。

 つたない川柳であるが、いろいろな社会や日常生活の出来事をわが心に映ったものを川柳の作品を通して表現した。こうしてみるとわが心の遍歴のようなものでもある。 

 

つばさ川柳  平成14年1月初投句~16年1月

 

悔しいが政争ゴッコ国の基

嫁ちがう孫の可愛さ皆同じ

パソコンが毛筆代わりにわれもまた

  (平成十四年一月第80号) 初投句

 

おにぎりの美味しさが沁みる山の昼

朝寝する軒先に立つ国旗かな

ここにきてさて晩節の難しさ

  (平成十四年四月第81号)

 

べクトルを変換させる年の功

ウオーキング夫婦の会話歩が弾む

引き屋台祭り日だけは天下人

  (平成十四年七月第82号)

 

靴音を朝日の中で確かめる

何事も身体に問うて肯いて

家族とは諸々あって絆増す

  (平成十四年十月第83号)

 

歳月を甦らせる流れ雲

手造りが賑わう卓に笑い声

孫抱けば歌の文句が見えてくる

  (平成十五年一月第84号)

 

涙線を誘うドラマに席を立つ

嵌り込む趣味も度が過ぎ手綱締め

添え書きがかけた賀状に気を回す

  (平成十五年四月第85号)

 

パソコンへ本気になれば四苦八苦

色つきの衣を羽織り若返る

まだ先と思った日々はとうに過ぎ

  (平成十五年七月第86号)

 

万物の躍動感知冴える歳

晩節を汚すことない平凡さ

自己管理反省猿に笑われる

  (平成十五年十月第87号)

 

竹とんぼわらべに教え若返る

老いの坂筋トレ励み横を見る

山歩き狭い世間が急角度

  (平成十六年一月第88号)

 

《次号に続く》