老いる雑感(31) 夫婦二人が元気であることのありがたみ

    航空自衛隊を定年退官してからこのかた27年間、自分のやりたいことをやることができた。それができたのは、夫婦とも二人が元気であっことではなかろうかと感謝している。

    この一年、知人友人、同期生の中で夫婦のうちどちらかが先に逝ってしまった方が多かった。高齢になればなるほど、そうなるのは人の寿命のなせるところであるとはいえ、寂しいものだ。

   夫婦はいつの日かどちらかが先に逝くことは世の哲理であらとは言え無情である。長年連れ添った伴侶を失うことは、心中察するに余りあるものがある。

    私は、若い26歳のとき、新婚の妻が長子を産んだ後、産後の肥立ちが悪く、あっという間に逝ってしまった辛い、厳しい、無情なことを経験した。これから無限の人生がある家族の死は殊更に辛いものがある。人はそれがどんなに辛くても乗り越えていかざるを得ない。これが人生である。

    こうしてみると、お互いが、健康であることは何にも増して有難いことではなかろうか。お互いが元気であれば、やりたいこともやれる。夫婦が普通の生活ができれば、お互いを気遣うだけでいいが、片方が病気がちであれば、それなりにいろいろと心配や手助けが必要となってくる。更に進んで老々介護になっても、どちらかが元気であるから介護ができるものだ。

    多くの高齢者は、なんらかの病気で、薬の種類と服用数が異なっても、日常的に薬を服用しているものであるが、毎日の生活を普通に過ごしている。

    実は、普通に過ごせるということはものすごく有難いことである。歳を重ねるほどそのありがたみが増してくる。夫婦二人が元気であることのありがたみをかみしめている今日この頃である。