浜ちゃん日記  お盆を迎えての感想

1.お盆は先祖が家族を引き合わせる

    生まれ育ったところは鳥取県湯梨浜町宇野、現在の終の棲家は浜松である。若いころや両親が生きていたころは、どんなに遠くに住んでいても、お盆の時期になると家族を連れて郷里に帰り、両親に家族全員の顔を見せ、先祖のお墓参りをしたものである。

   この頃は逆に子供たち家族が私のもとに集ってくる。これが世の習いというものであろうか。子供が家族を形成し、孫達がそれぞれ家庭を持てば、親と同じように、自分の城を築き代替わりしていくものである。

 昔は親戚縁者が同じ集落や地域に住んでいたが、今日は核家族に見られるように、家族の分散・独立化が進んでおり、居住地が国内はもとより地球化してきている。家族の絆や先祖に対する考え方も少しづつ変わってくるのもやむを得ないことであろうか。

 こうしてみると、昔から、家族は幾代にもわたって、先祖を弔う行事を繰り返してきたのであろうか。歳を重ねたせいか、若い時代には感じなかった先祖の御霊・亡き両親・兄姉への追悼に寄せる感慨は一層深いものになってきた。

 人はこの世に生を受けたからには必ず死んでいく輪廻の世界でもある。お盆の風習は人にとってありがたいものだ。先祖様が今に生きる家族や親族を引き合わせてくれるからである。

2.お盆は祖先の霊を迎え祀る
 お盆は祖先の霊を迎え祀る行事である。年に一度祖先の霊が私たちのもとに帰ってくる期間とされている。当地では、初盆の家庭を除いて、一般的に特別な祭壇を設けたりしないで、身内でささやかに祖先の霊を供養している。

 これに対して、初盆を迎えられる家庭は、当地では8月13日から8月15日までの間、所定の祭壇を作り、13日迎え火をして15日夕方送り火をしているところが多い。旧暦の方は7月の同じ時期である。現代においても長くもなし短くもなしで、親戚縁者が集まり、弔問者を迎えるのは、実質的には14日の一日だけである。

 私の生まれた故郷では、お墓に灯篭があるが、当地では見かけない。お盆には集落の人々は毎日夕方家族そろってお墓参りをし、灯篭に火をともしたものであった。墓地は夕闇の中に迎え火が灯り幻想的な光景が焼き付いている。

3.初盆・盆義理の弔問

 最近の当地の傾向を見ていると、初盆・盆義理の弔問は、14日の午後に行われている。それ以外の日時はあらかじめ連絡して弔問した方がよいようだ。喪主にとっては、親戚縁者の接待など何かと忙しい折であり予定される時間以外に弔問すると迷惑をかけることになる。

 弔問に際しては、祭壇とは別に縁側に焼香台を設け、靴を脱いで家の中に入らず、そのままの状態で焼香し、慰めと励ましの言葉をかけて離れるのが通例である。

 今日は少し涼しくなった午後4時頃から約1時間町内を回って知り合いの初盆宅を弔問した。どの家庭も中央に遺影が飾られた祭壇が設け、親戚縁者の皆さんがお集まっておられた。御霊がそれぞれの家庭に迎えられ、安堵の気持ちがあふれているように感じた。

2014-08-13  浜ちゃん日記 初盆と盆義理