老いる雑感(23) あしから来ると赤ちゃんにかえる

 風邪気味のため休養した。身体の調子が悪い時は、理屈なしに休むに限る。無任所の高齢者だからできる特権でもある。

   ゆっくり、のんびりと過ごし、しっかりと睡眠をとったら元気が出てきた。風邪気味も治った。夜の睡眠を十分にとったことが一番良かったようだ。

1   股関節・膝から衰える

   昔から歳をとると「あしから来る」と言われている。下肢の筋力や股関節・膝から衰えることを言っている。最近の新聞テレビなどの広告やコマーシャルを見ていても目につくのは、股関節・膝・筋力の衰えに対する対応である。

    私も70代の時は感じなかったが、80代に入ったら、立ち上がる時に、膝に痛みを感じるようになった。歳を重ねることにあちこちと悪いところが出て来るのは当たり前で、これが老いることの特徴であろう。

   ジタバタしてもしようがない。素直に受け入れざるを得ない。

    そこで対処方法であるが、栄養剤や薬を飲むのもよしだ。私は食事をちゃんととって、自分の足で歩くことにしている。ごく当たり前のことをやることにしている。

    シニアクラブの80歳以上の高齢会員に共通するものは、たいていの方が、あしから衰えるようになって来ることである。このため家か外に出ることをためらい、家に閉じこもることになる。悪循環を繰り返し、遂には退会と相成ることが多い。

2  赤ちゃんにかえる

    歳をとるにつれて、「赤ちゃんにかえる」とよくいわれる。この世に生まれてきた頃の状態に徐々にかえいていくことがある。頭も身体もそうなって来る。家族や施設のお世話になることになる。これは悪いことなはない。

    これまた波乱万丈の人生を乗り切った人間の姿でもある。すべての労苦から解放されて、生まれた時の姿に戻っていくのであろうか。

    人生の最後まで、自分の意思で動き、ポックリとあの世へ行けたらと誰もが願望するが、人生の幕引きはどうなるか誰もがわからない。最後はどうなるかわからないのが、これまた人生ではなかろうか。