本年は航空学生制度創設62年となる。 昭和30(1955)年6月2日.航空自衛隊第1期操縦学生207名が山口県の防府南基地の幹部学校に入校し操縦学生基本課程がスタートした。課程10ケ月を履修し187名が卒業した。
当時においては、戦後初の高校卒業者の航空自衛隊パイロットを目指して全国からパイオニア精神に満ちた志のある若人が馳せ参じた。
元航空幕僚長・統合幕僚会議議長杉山蕃空将は「操学1期は、年代を代表する一騎当千の集団であった。」と述べておられる。
第1期操縦学生会も、60周年大会を契機に全国的・組織的な活動を終了し、地区別の活動に移行した。
第1期生は、現在年齢にして、満82歳から80歳であり、若かりし頃凛々しいかった青年も世にいう「年寄」となり、物故者もだんだんと増えてきた。全般的に世間の同年齢と比べると元気さはあるものの歳は争えない。
時の流れと共に昭和の時代を担って活躍した俊英たちも静かにこの世から旅立っていこうとしている。今や早いか遅いかの年齢となった。過日も、航空史上に名を残した東京オリンピックのブルーインパルスの故淡野徹君が惜しまれながら彼岸へ去った。
次の入隊65周年、70周年に生き残った有志が一団となって再び防府の地を訪れることができるであろうか。先のことは誰もわからないが、同期生が語らって大きな夢を抱いている。その時に夢は果たしてどうなっているのであろうか。実現しているであろうか、幻の夢となってしまっているであろうか。