昭和の航空自衛隊の思い出(423) 電算機の威力と要員の養成

 昭和43(1968)年ごろ人事幹部になりたてのころ人事管理に電子計算機の導入が始まっていた。幹部普通課程(soc)でもプログラムの作成の基礎と実習があった。人事管理面での電子計算機の活用は、山根勝巳(元航空警務隊司令・将補)、川又喜代治(部外9期・元航空警務隊司令・将補)、利根川幸夫(部外11期・1佐)の人事部門の大先輩がその導入と運用に精魂を傾けておられたように記憶している。その後、白川新(防大8期・元中警団副司令・将補)の活躍が印象に残っている。

 空幕人事課人事第2班長に就任した時、中央業務隊の電算機処理科長の菊池孝夫3佐(部内35期・2佐)が俊腕を発揮し、要員の養成に熱心に取り組んでおり、この分野は先行して施策を講じるべきだと判断した。

 将来の電算機の全国ネットワ-ク網の構成及び発展の基盤となる空曹要員の養成が必要であると判断した。そのため優秀な人材の宝庫であった空曹候補学生出身者を毎年、所要のプログラマ-要員として配置することにした。

 今日の発展で見るごとく、昭和の時代の布石は、数年を経ずして、平成の時代に入り、飛躍的に機能を発揮するようになった。空自における電算機の充実発展の神代の時代を知るものとして、営々として組織の発展と要員の養成に尽力された諸兄の活躍が忘れられない。