歌謡曲といえば演歌である。歌は歌でも世代・年齢から生まれ育った道のりや環境でかなり変わってくるものだ。子供の頃はもっぱらラジオから流れる歌であった。
この頃、最もテレビ等で視聴するのは、NHKの「のど自慢」と「日本の歌」であろう。各局の「昭和歌謡」も時折視聴することにしている。聴くのは男女歌手を問わないが、歌うのは男性歌手の歌にしている。
生まれ育ち今日に至るまでの雄々しい人生をうたい上げた歌が好きである。したがって、カラオケはもっぱら演歌である。そこには人の心があり、心から歌い上げるものがあるからだ。心が安らぐからだ。歌手や他人の演歌を聞くもよし、自ら歌うもよしである。
最近の番組では、2月16日に84歳で亡くなられた作曲家の船村 徹さんを偲んでの特別番組などは心に響くものがあった。 「別れの一本杉」「王将」「矢切の渡し」など5千曲以上を世に送り出した文化勲章受章者の作曲家で、さらに、北島三郎さんや 鳥羽一郎さんをはじめとする多くの歌手を世に送り出した。
私より2歳上で、おおむね同じ時代を生きてきたから、歩んだ道は全く異なるが、いろいろな面で理解できるものがある。作曲の天分に長け、かつ努力の作曲家の一人といえよう。昭和の激動の時代を舞台に、日本の音楽史に大きな足跡を残してきた人であった。生涯を通じ、一貫して大衆に愛される音楽を作り続けた確固たる人生を歩んだ姿は素晴らしかった。
とりわけ、よく番組で若い時代に逝ってしまった友人との友情を一生涯大事にした生き方、また、作曲家としての絶頂期に、あえて筆を止めて、全国各地のさすらいの旅に出たりした頃があったことが印象に強く残っている。
演歌は人生を心で歌うものと受け止めている。カラオケが好きな理由はそこにある。