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老いる雑感(12)  「立つ鳥跡を濁さず」と身辺整理

1.「終活」という言葉

 高齢者の終末活動を「終活」というのであろうか。就職活動を「就活」と略されるのと同種の造語であるが数年前から使われるようになった。

 ネットで「終活」を調べてもると、総合して「自分の人生の終末のためにする活動のこと。」というのが共通した解釈であろう。自分の葬儀・墓・医療・介護についての要望、身辺整理・遺言・相続などの処理を含んだ包括した言葉として使われるようになったといえる。
 「終活」をテーマにしたイベント・書籍・講演会・説明会・相談会・販売会などのパンフレットをよく見かける。

2.生活の場にある身辺整理

 本欄では、身辺整理、とりわけ自分の生活の場にある日記・手紙・メモ・資料の類の整理・破棄について取り上げることにした。自分にとっていかに思い出が詰まった大事なものであっても、後に残されたものにとっては単なる「ごみ」となってしまうからである。

    後期高齢者」と称される75歳になってから、自衛隊時代~今日まで保存していた書籍、日記・手紙・メモ・資料などすべてを整理し、不要なものは破棄すると決めていたが、いざ実行となると思ったように進まなかった。その原因の最たるものは、自分自身の心にあった。要するに割り切ったはずなのに、まだ割り切れず躊躇するものがあったことである。

 自衛隊退官時、再就職後の退職時、各種役職退任時と節目節目でメモ・資料など破棄してきたが、その後も結構資料等は溜まってきた。

    4年前、がんの発病・入院手術後、ブログを書くようになった。時折、資料等の整理作業をしてきたが、整理しようという強い気持ちがある一方で、あれもこれも使うことがあるかもしれないからと自分なりの理屈をつけて、破棄を保留することがあったりした。

3.「立つ鳥跡を濁さず」本気で取り組み

 私が多少メモ・資料の破棄に躊躇していた背景には、現在書いている「昭和の航空自衛隊の思い出」で手持ちのメモ・資料や日記などで確認するのに必要な時があるのではないかという思いがあった。

 はるか30年~60以上前の思い出を綴ることから、思い出す範囲でいいのであるが、あまりにも間違ったことを書いたのでは迷惑をかけることになるのを恐れたからに他ならない。「昭和の航空自衛隊の思い出」も自衛隊勤務の最終段階に入って、峠を乗り越えてきたので、大方のものは整理破棄できるようになった。

 平成28(2016)年7月、厚生労働省は、平成27(2015)年の日本人の平均寿命は男性80.79歳、女性87.05歳だと発表した。男女ともに過去最高を更新した。

 今年は82歳を迎え平均寿命も越えた。元気なように見えていつ逝っても不思議ではなくなった。「立つ鳥跡を濁さず」は、まさしく日本人の気風にあった言葉である。

この言葉は強く背中を押した。この気持ちを持ち続けたいと思う。

 ここのところ3日ばかり朝から寝るまでひたすらメモ・資料の整理と破棄に努めてきた。破棄の方は手で破るものと簡易裁断機にかけるものとに仕分けしてコツコツと作業を続けた。まだ緒に就いたばかりであるが、暫く休んだ後、新しい整理に取り組んでみたい。