昭和の航空自衛隊の思い出(386) 昭和62年改正の准空尉、空曹及び空士自衛官経歴管理基準(4)・経歴管理の要領

1. 昭和62年改正の准空尉、空曹及び空士自衛官経歴管理基準・ ダイジェスト版について

    昭和62年(1987)3月に、航空幕僚長から通達された経歴管理基準をいかに具現化し、有効に運用するかは実人員を担当する空幕人事第2班の役目であった。

     単なる通達でなく、そこに命を宿させ、准空尉、空曹及び空士自衛官の経歴管理のねらいと基準を定着させるように、特に各級指揮官及び准空尉及び空曹に周知徹底することに努めた。

    そのためにはどのような手段方法があるか検討した結果、硬い通達文面のみではなく、要点とポンチ絵的なものを入れたりして視覚に訴えることに着目して、関心と理解を容易にしようとの考えから、航空自衛隊で屈指のマンガが得意の山本茂雄1佐にお願いしてイラストを描いていただいた。

    当時、マンガは時代の流行として定着しており、班員が知恵を絞って編集したものである。今まで通達の趣旨、内容をダイジェスト版として、これほどイラストを取り入れたものはなかったので画期的なことであった。   

 初任空曹長集合教育での配布はもとより、全国の編制単位部隊以下まで配布し、隊員が身近に手にすることができるように努めた。この種のもので、これほど多くの隊員に読まれたものはなかったと自負している。     

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 《  昭和62年改正の准空尉、空曹及び空士自衛官経歴管理基準・ ダイジェスト版の表紙、このイラストは実によく経歴管理のねらいを表しており、あらゆる場所での説明・講話で使わせてもらった。》

 

2.昭和62年改正の准空尉、空曹及び空士自衛官経歴管理基準・ ダイジェスト版(4)・経歴管理の要領

経歴管理の段階区分 

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経歴管理の一般要領 

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 3.30年後の所感

❶ イラストについて

 昭和62年(1987)3月に改正の「准空尉、空曹及び空士自衛官経歴管理基準」について、実運用の主管班長としての立場から、まず内容を周知徹底していくことから始めた。

    当時、幕内に同じく班長で活躍していた山本茂雄1佐が航空自衛隊で屈指の自衛官マンガで定評があることに着目し、イラストを織り交ぜて経歴管理の内容をPRすることした。

   山本茂雄1佐に、趣旨を説明し、ぜひ全国の各級指揮官、准空尉、空曹及び空士の皆さんのためにご尽力くださいとお願いしたところ快く引き受けていただいた。 執筆されるにあたっては、公務多忙の中これだけ大量のイラストを描くには並々ならぬご苦労があったと思われます。本当にありがとうございました。

    イラストの文句の方は、人事第2班の2佐桒原主税のの指導の下、曹長染谷忍、2曹福田文紀、事務官安斎敬子の皆さんが相談してイラストに合わせて作って入れた。今から見ると文句に荒削りな表現も見られるが、それなりにインパクトがあり、それでよかったのだと思う。

❷ 経歴管理について 

 経歴管理の方針、経歴管理の段階区分、経歴管理の一般要領などは普遍的なものであるが、時代の進展によって充実発展するものである。その後、経歴管理管理基準は何度か改正が行われたであろう。どのように進展していったのか興味のあるところである。30年の歳月が流れたがその基本となったところは現在も脈々と生きているのではなかろうか。物事は過去があって現在があるからである。その根底を知ることは無駄ではないように思う。

   段階区分別経歴管理の概要などは分かりやすかった。准空尉、空曹及び空士の皆さんに経歴管理基準を身近なものにしたいという狙いはかなり実現できたように思った。