浜ちゃん日記 秋の日は釣瓶落とし

1.秋の日は釣瓶落とし   

 新聞報道などによると、一時的な冬型の気圧配置とのことであるが、北海道の日本海側、オホ-ック海側は雪が降ったりした。浜松地方はここの所毎日青空の晴天が続いている。それにしても日中は暖かいが夕方になると気温が急激に下がって寒く感じる。

 11月に入ったら、日が暮れるのがかなり早くなってきたようだ。昔から「秋の日は釣瓶落とし」と言われているがまさにそうであると実感している。秋の太陽は、つるべを落とすかのように早く沈んでしまうとの意味であると用語解説にある。

 「釣瓶」とは、水を汲むために竿や縄の先につけて、井戸の中におろす桶のことである。こう考えてくると、「秋の日は釣瓶落とし」とは生活に密着した味のある面白い表現であると思う。   

2.井戸と釣瓶落とし   

   井戸と言えば、15年前に地域の自治会長したときに、東海地震対策として、町内で非常災害の時に日常的に使っていて活用できる昔からの井戸ないし手押しの井戸ポンプがどこにどれだけあるのか調査したことがあるが5個所ばかりあった。多分、現在は使われていないであろう。

 昭和の30~40年代までは、昔からの井戸か手押しの井戸ポンプが多かった。井戸は滑車が付いたものと、滑車はなくて、綱の付いた桶を井戸の中に落として水をくみ上げるどちらかであった。どちらにしても桶が井戸の水面に落下して引き上げたものであった。

 次第に井戸も手押しポンプから電気式の井戸ポンプが主流になってきたが、水道施設の普及によって、完全な水道施設に代わってきた。私も平成2年自衛隊退官後永住の地である浜松に自宅を建設したが、当初地域に水道施設がなく、井戸を掘ってもらい地下水をくみ上げるポンプ方式を採用した。間もなく市水道施設につないでもらった。当時の井戸ポンプは一回も故障することなく、家庭菜園などの水やりにや健在で使っている。

 今日では、昔の井戸を見かけなくなった。井戸跡があっても金網などで閉鎖されて安全対策が設けられているのを見かけることがある。

 したがって、昔風の井戸は、時代物のテレビ映画で知る程度で、死語となってきたようだ。「秋の日は釣瓶落とし」はいつの日が使われなくなる時代がやってくるであろうか。

 この頃、夕方陽のかげるのが早くて、あっという間に暗くなるたびに、夫婦で釣瓶落としの秋の夕暮れを語ることがある。

 

3.秋の夕暮れ

 この頃の夕方は、風もなくなく太陽が西の空に沈むころの情景は何とも言えないほど心が落ち着いてくるものだ。それもあっという間である。夕日を眺めながら散歩をすると、朝方や太陽が輝く昼間の情景と異なったところが見られるからよい気分になる。

 太陽の光の角度によって色合いも異なってくるので、美しさを再発見することがある。なんとか絵にならないかと、カメラに収めるがセンスがないせいか、ただの風景写真で終わることが多い。