昭和の航空自衛隊の思い出(358) 本格的な准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習

   昭和61年(1986)12月、空幕人事課人事第2班長に補職され、63年(1988)6月末まで務めた。航空自衛隊全般の准空尉・空曹及び空士約3万7千名の人事に関わる施策、充員・異動・昇任・昇給等の業務を担当した。 

   60年(1985)8月 空幕勤務になるや、利渉弘章空幕人事課長から人事第2班の業務の見直しについて特命を受け検討した。准空尉・空曹及び空士人事の骨幹となる充員計画の作成実行の一体化は、人事第2班の命脈であるとの所見を報告し、取り上げられ、高橋和夫班長時代に、准空尉・空曹及び空士充員計画の作成が、61年度分から人事第2班担当となりスタ-トをした。人事計画室からの移管‣移行も円滑に行われた。

2016-08-20 昭和の航空自衛隊の思い出(336) 准空尉・空曹及び空士充員計画に関する所見と提言   参照

 人事第2班が担当するようになった初の昭和61年度准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習は、空幕人事課長利渉将補を迎えて沖縄で行われた。当時の写真を見るとその緊張感と感動が思い出される。

 こうした経緯があって、人事第2班長として、昭和62年度及び63年度充員計画の作成と充員計画業務講習を取り仕切ることになり感無量であった。

 空幕人事課長は、利渉弘章将補から小泉進1佐(将補)に代わり、昭和62年度及び63年度准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習を那覇基地で開催した。空自の主要部隊・機関の錚々たる准曹士人事担当幹部及び空曹が参集した。

 ハイライトの各種異動交流の調整会議では、長期にわたり厳しい勤務環境で黙々と任務を立派に遂行した隊員が、晴れて希望の基地へ異動できることを最優先して実施することであった。全国の主要部隊の准曹士人事担当幹部及び空曹を一堂に集め、英知を結集して受け入れ先を決定するにあった。

 受け入れ基地と部隊においては、様々な困難性もあったが、異動交流の基本方針を貫くことによって、任務上の異動交流を強力に推進するにあった。どんなに厳しい勤務環境であっても立派に任務を遂行すれば希望の任地で勤務できるようㇾ-ルを敷くことにあった。

 連日、朝から晩まで、人事担当者全員が英知を絞って協力し、懸案の異動交流計画の大筋を作りあげるに至った。文字通り充員計画の作成と実行の一体化が進められ、人事第2班の本領・機能を発揮することができるようになった。

 私は、担当者による異動交流調整の間は、沖縄部隊の関係先に赴き、司令部及び部隊を訪問し、准空尉・空曹及び空士人事の現状と諸問題、空幕施策の方向と概要説明・講話・懇談を進めることにした。

准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習 

1.  昭和61年度准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習  

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《 高橋和夫人事第2班長時代に、昭和61年度分から人事第2班が准空尉・空曹及び空士充員計画を担当することとなり、那覇基地において、全部隊の准曹士人事担当幹部及び空曹が参加した。初日において空幕人事課長利渉弘章将補を囲んで記念撮影した。人事第2班の転換期であり、思い出の残る一枚の写真である。 》 

2.  昭和61年度後期准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習 (62.2.17~2.21)  

    ハイライトは、62年度の各種異動交流の調整であった。当時のメモによると、沖縄交流477件、サイト交流142件、硫黄島交流31件、教官交流35件のほか教育隊班長の交流と記していた。部隊要望をいかに実現するか大変な作業であったが、担当者が一堂に会する調整会議により各種異動交流の推進が図られた。

3.  昭和62年度後期准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習 (63.2.15~2.19) 

❶ 准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習参加者

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《  空幕人事課長小泉将補及び南混団人事部長永島脩一郎1佐を囲んで、准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習参加者が記念撮影した。本講習の開催地を沖縄としたのは、異動交流の主力が沖縄交流であったことから那覇基地としたものであった。全国の主要部隊・機関の准曹士人事担当幹部及び空曹が参集した。永島1佐はCSの同期であった。 》

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❷ 昭和62年度准尉・空曹及び空士充員計画業務講習 の日程

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❸ 異動・交流調整会議の状況   

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 《 昭和62年度後期准空尉・空曹及び空士充員計画業務講習、ハイライトは63年度の 異動交流計画を策定することであり、調整会議はロの字型になり、空幕人事第2班石田敏晴3佐が俊腕を発揮し取り仕切った。全国の人事担当者が一堂に会し、懸案であった各種異動交流をひとつづつ確実に調整しながら進め、異動基地・受け部隊・交代要員の差出部隊等まで一挙にまとめていく方式を取り入れた。問題が生じた時には部隊に直ちに報告連絡し、再度調整しまとめあげる方式を採用した。これにより異動交流の推進は一挙に進展することとなった。》