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昭和の航空自衛隊の思い出 (339) 新聞記事等の切抜き・整理分析と効用

1.新聞記事などの切り抜き整理と活用

  昭和30年(1955)、航空自衛隊に入隊してから最も長く続いたものは、新聞や雑誌記事の切り抜きであろう。関心のあることや話題になっていることについてファイルを作って、項目・分類別に仕分けして時系列に張り付けたりしてきた。これは中学時代から始めていたので、その延長上であったように思える。

 入隊後の教育訓練に専念していた時期を除いて、部隊勤務になってからは、再び始めたように記憶している。物事を一面からではなく表と裏の両面さらには中身を吟味してみる習性がいつの間にやら培われてきたようだ。     

 こうしたことから、新聞記事・テレビ報道・解説一つでも、うのみにせずに、中立公正とは言いながらどんな立場で書いているのか報じているのかすぐに見抜く力は養われてきたようだ。そのことを踏まえながら読んでいくと全体像が見えてくる。物事の核心を推察することができるようになった。従って、新聞も一紙だけではなく、少なくとも2紙は読むなどに努めてきた。

2.物事の分析・整理と現実的な物の見方、考え方

 幹部に任官してからは、情勢の分析、行動方針の決定にあたってどのように分析・検討・評価するのかなどを日常業務処理の中で行っていると自ずとこの面の能力は身についてきたように思われる。

   この間、特に役立ったのは、業務面もさることながら、空曹時代は各階級に学科試験があり、選抜試験は面接試験などがあったが、平素の積み重ねが意外なところで発揮されることがあった。

 自分なりの情勢の分析整理・検討を行うことによって、冷静な物の見方・考え方が自然に身についてきたように感じる。

 理想は理想として見据えながら、現実的なものの見方や考えを持つようになった背景はこの辺にあったように思われる。戦争と平和もしかり。厳しい環境の中で実任務に対処しながら世界観・社会観・人生観が培われていったように思われる。

 また、若い時代に要撃管制の運用部門に従事したことから、すべからく任務遂行、作戦運用に寄与すべしとの信念を持つに至った。自衛隊勤務の大部分を、主として人事部門を歩むことになったが、終始その考えは変わらなかった。

 今や80歳代は整理の時期と考え、大量の各種の切り抜き記事も大方裁断・破棄してきた。分厚いフアィルの一つを紹介しょう。

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《 第4次中東戦争は、1973年10月にイスラエルエジプトシリアをはじめとするアラブ諸国との間で行われた戦争。第4次を綴るに関連して当然、第1次~3次まで経過を勉強することになった。「中東戦争史」「キッシンジャ―回顧録」など中東戦争に関する著書を読むことに繋がっていった。》

 

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《  フォークランド紛争は、大西洋フォークランド諸島(アルゼンチン名:マルビナス諸島)の領有を巡り、1982年3月からイギリスアルゼンチン間で3ヶ月に渡って行われた紛争である。「鉄の女」といわれたサッチャ-首相の決断と対応など国の指導者のあるべき姿などは未だ鮮明である。諸資料や関連の著書を購入して勉強することに繋がっていった。》

3.人事部門での分析検討・整理と策案 

 自衛隊生活において、新聞の切り抜き分析整理の手法が、次第に職務面に及んできた。とりわけ人事施策の立案や指導方策を決めるにあたって、自然に資料の収集整理・分析検討・評価などに応用するようになってきた。これはまさに指揮・幕僚勤務の応用編であった。

 これらは、上級の各級司令部勤務にになればなるほどデ-タ資料が豊富であり大いに活用することができた。何気なく始めた新聞記事等の切抜き・整理分析から始まったことが自衛隊勤務において役立ったのである。