昭和の航空自衛隊の思い 出(311) 一般幹部候補生(部内)選抜試験等の受験指導と合格記(1)

1.    一般幹部候補生(部内)及び3尉候補者選抜試験の受験指導について

 昭和の時代における航空自衛隊の思い出の中で、「 一般幹部候補生(部内)及び3尉候補者選抜試験の受験指導」については特別な思いがある。第1期操縦学生として操縦幹部を目指すも適性面から初級操縦課程で断念し、再起して部内幹候に挑戦した。部内幹候合格が私の本格的な自衛官人生の出発点であったからである。

 部内出身幹部として第一線部隊に勤務し要撃管制官としての経験を積んでから人事幹部に転進した2尉の頃から、士曹を経験した「部内出身幹部」に課された役割・使命と自覚し、「空曹・空士に関すること」に取り組むことは自分に与えられた命題と考えるようになった。

 こうしたことから、空曹及び空士隊員の中で「志のある者の目標の実現に努める」ことに取り組むことを始めた。その一つが各種選抜試験の受験指導であった。

 人事部門へ従事するようになってから群本部の人事班長等を経験し、指揮幕僚課程を卒業して方面隊司令部で准尉・空曹及び空士の人事を担当した。それぞれの勤務で、一般幹部候補生(部内)及び3尉候補者選抜試験の受験指導に積極的に取り組み経験を積み上げていった。

 3佐となって、昭和50年7月第6航空団司令部人事班長になったころには、過去の経験・教訓を集大成して「一般幹部候補生(部内)及び3尉候補者選抜試験受験指導要綱」を策定し団司令の承認を得て司令名で部隊に発出したものであった。

 こうしたことから受験指導・合格記などは陸海空を問わず多数資料収集し、参考にしたものであった。

 今回は部内幹候試験を中心に取り上げたい。3尉候補者選抜試験については、先に奮戦記などを取り上げたので省略する。この受験指導に関わる事項は、当時の取り組み状況の一端を紹介し、昭和の時代における自衛官の生きざまを記録しておきたいと思ったからである。その中の一部を収録するものである。

2.   一般幹部候補生(部内)及び3尉候補者選抜試験受験指導要綱

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《  昭和50年7月第6航空団における「一般幹部候補生(部内)及び3尉候補者選抜試験受験指導要綱」、これに基づき総合的・体系的な指導体制を確立した。群と団の分担を明確にした。各部隊の活動を重視し、受験に関する資料を積極的に提供した。》

3.     第6航空団における昭和50年度一般幹部候補生(部内)選抜試験の合格記

❶ 部内幹候選抜試験に合格して    修理隊  幹候生1曹 k

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 部内幹候に挑戦して    装備隊 幹候生1曹 k 

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❸ 部内幹候選抜試験合格までを振り返って  装備隊 幹候生1曹 Y

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《 昭和50年度一般幹部候補生(部内)選抜試験で第6航空団から3名合格した。合格記に共通するものは、難関に挑戦し見事に実力を発揮して合格した誇りと自信が満ち溢れていた。隊長をはじめ小隊長などの激励・助言指導の成果でもあった。入校に当たり団司令に幹部候補生の座金をつけて胸を張って申告する姿に、航空自衛隊を担う人材が輩出したと大いなる喜びを感じたものであった。部内幹候への挑戦と合格の陰には人知れぬ努力の涙ありで、自衛官人生を織りなすドラマの一コマでもあった。》