昭和の航空自衛隊の思い出(307) 3尉候補者選抜試験に合格した人たちの生きざま(1)

1.   部内から幹部自衛官を志す者への手助け 

 西部航空警戒管制団司令部人事部長として、在任間努力した事柄の一つに、「部内幹部候補生選抜試験」と同様に「3尉候補者選抜試験」の受験指導があった。部内からの幹部自衛官への登用試験に挑戦してみようとの意欲がある者がおれば積極的に手助けしたいとの思いであった。

 その理由・背景となったのは、私自身が空士・空曹を経て部内出身幹部となったこと、部内幹候受験は自ら決心しひそかに胸に秘めたこと、当時の上司の指導により受験準備をしたこと、職場の皆さんの支えで合格したこと、幹部になってからは、積極的に各部隊で受験指導したり、各種の試験官の経験を積んできたことなどから、幹部自衛官になりたいとの強い志のある者に対しては、なにがしかの励ましと受験指導で手助けができるのではなかろうかとの考えが強かったように思う。

2.  3尉候補者選抜試験に見事合格した人たちの奮戦記

 古びた35年前の昭和60年当時の資料が出てきた。「幹部への道」と題するプリントであった。曹長・准尉から3尉候補者選抜試験に挑戦し見事合格した人たちが寄せた奮戦記である。はしがきは参照(60)に掲載したので省略する。隷下部隊に印刷配布したと記憶している。

 今日読み返してみても感動するものがある。それは、第一線部隊で黙々と任務を遂行しながら自己の目標に向かって努力した「自衛官の人生記」であり、昭和の時代の隊員の生きざまがよく表れている内容であったからである。

  自衛官の歩みは、多様な勤務と生活がある。どのような選択をするか、各人の人生観・社会観による。そこには勝敗や優劣はない。

    ここに登場した皆さんは、幹部自衛官となってどんな人生を歩まれたでしょうか。きっと己の人生について充実感・満足感を持っておられるのではなかろうかと推察している。これは自衛隊という世界で出世したとかと言うちっぽけな事柄ではなく、自分の人生にどんな思いで立ち向かったかの実践記であったように思う。

❶ 「幹部への道」の表紙

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❷ 曹長・50歳

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❸ 曹長・44歳

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 准尉・47歳

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