昭和の航空自衛隊の思い出(297) 司令部における副司令と人事部長の関係

1   指揮官と副指揮官の関係と所要の報告

    西部航空警戒管制団司令部人事部長に着任以来、副司令に対して、積極的に適時適切な報告と指導を受けることを徹底して励行した。

 団司令に報告する前に必ず副司令に報告・指導を受けることにしていた。 特に、新しい策案については、積極的に副司令の指導を受けることにしていたので、副司令の元に出入りする回数は他の部長より多かったように記憶している。

 当然、副司令に対する報告を通じて、指導・助言により、報告内容が的確なものとなるとともに、これに関連して団司令に対する報告回数も増え、内容が完ぺきとなり、指揮官の最も求める事項ににこたえることに繋がっていった。

2.副官及び各級司令部幕僚勤務で学んだこと

 自衛隊生活を振り返えると、多様な勤務経験と上司・同僚・部下との関係において、極めても恵まれた環境にあったといえる。若い2尉の時代に警戒管制団司令の副官をした経験から、時の山口二三・白川元春・石井信太郎団司令と上田・島田正春副司令の模範的な関係を身近に垣間見て、指揮官と副指揮官の関係が良好であると優れた指揮統率と部隊運営が円滑であることを学んだ。

 部内出身幹部ではあったが、常に自分を置き換えて、将来、副指揮官であったら指揮官との関係をどう律すべきかを考え学んでいった。また、また、各級司令部勤務を通じて、幕僚として副指揮官との関係はどうあるべきかを追求してきた。さらには、指揮官及び副指揮官と幕僚との本質・立場・職務のあり方を学ぶ機会を与えられた。

 どんなに高位の指揮官と副指揮官といえども両者の関係が緊密でなければ立派な部隊指揮はできないことは自明であった。そこに共通するものは、副指揮官は、団司令の女房役であると共に幕僚長的な存在であったからである。

 後年、長官直轄部隊の副司令を拝命することになるが、若い時代からの練成を糧として心したことであった。

3. 団司令部における副司令と人事部長の関係

 かって、副官及び各級司令部幕僚勤を経験したことから、人事部長在任間、誰よりも副司令の元に出かけ人事部としての策案を積極的に報告し、積極的な同意と所要の指導を受けることに心掛けた。人は会う回数が多ければ多いほど、人柄も分かり、信頼されることになるものだ。

 2年6か月の人事事部長在任間、58.3.16~58.6.30の4ケ月は副司令桜木久壽雄1佐及び58.7.1~60.7.31の2年余は副司令早田匡之1佐に懇切な指導をいただいた。とりわけ、早田匡之1佐には人事部長在任間の大部分の期間をお仕えすることとなり、腹蔵なくお話しできる関係となった。

 お二方とも、要撃管制幹部出身で職域の大先輩であった。人格識見共にすくれ、実に素晴らし副司令であった。

 

4.副司令桜木久壽雄1佐 の定年退官

 

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《 前副司令桜木久壽雄1佐の定年退官記念、前列左から基地業務群司令大塚基家1佐・副司令早田匡之1佐・団司令正信恭行将補・桜木久壽雄1佐・防空管制群司令三浦孝寛1佐・整備補給群司令森亨1佐、後列左から防衛部長日下喜伴2佐・監理部長八谷勇喜2佐・装備部長中俣弘文2佐・人事部長濵田喜己2佐ほか 》

 

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《 前副司令桜木久壽雄1佐の定年退官記念撮影及桜木夫妻を囲んだ退官パ-テイ記念撮影 》