昭和の航空自衛隊の思い 出(287) 部隊及び隊員の安全祈願

1.部隊及び隊員の安全祈願 

 自衛隊の部隊等は、国家防衛という崇高な任務を国民から託されている。部隊任務の遂行に当たって、指揮官は常に安全確保を図りつつ使命を達成している。年頭に当たり基地司令以下指揮官等が神社等に詣で安全を祈願するのが恒例であった。飛行部隊の指揮官は、飛行神社等に詣でていた。

     春日基地在勤間、太宰府天満宮等へ参拝し、隷下の部隊及び隊員の安全と発展を祈願したものである。

 

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《 基地新聞「春日」の記事 》

 

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《 春日基地司令正信将補以下部隊長及び主要幕僚が春日基地の安全と発展を祈願して

太宰府天満宮に詣でた。》

 

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《 春日基地司令正信将補以下部隊長及び主要幕僚が春日基地の安全と発展を祈願して

太宰府天満宮に詣でた。》

 

2 各地勤務間における神社仏閣への参拝

❶ 家族のふれあいと参拝

 自衛隊入隊以来、各地の勤務において、研修で有名な神社仏閣を訪れたりした。個人的には、家族を引き連れて子どもたちの社会勉強を兼ねて在勤地の神社仏閣をおとずれた。特別に信心深いといったことではなく、ごく普通に家内安全などを祈願したことを覚えている。

   特に、春日基地在勤間は、家族とのふれあいを兼ねて、太宰府天満宮へしばしば参拝した。距離的に近いということがあったようだ。参拝で出かけるたびに、太宰府天満宮・梅が餅が結びつくほどよく名物梅が餅を賞味した。 

❷ 任務遂行への加護と平安の祈り

 航空自衛隊勤務間において、心していたことは、厳しい任務に立ち向かう部隊及び隊員に対するご加護を心から祈願したことである。各級指揮官にとっては心底からの祈願であった。  

 私は人事幕僚として、どこの神社仏閣に詣でても、まず服務事故の絶滅を祈願したものだった。

 自衛官として国家防衛の任にある者として、入間・市ヶ谷・六本木で勤務した折には、機会があるたびに個人として靖国神社に参拝し、国家の戦いに殉じた英霊に頭を垂れ、わが職務を全う出来るよう加護をお願いした。幸い無事に勤務を終えて自衛隊を退官した折も感謝を込めて参拝した。

 退官後も、機会を見つけては、同じことを続けている。毎月のお墓参りで先祖に感謝し、すで逝ってしまった親兄姉に心を馳せるのと同じようなものである。

 平安の「祈り」は自衛官の任務上からも心から湧き出るものであった。入隊時に自ら署名捺印し宣誓した「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法 及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」との「服務の宣誓」にあった。

 これは私の「国家国民に対する誓い」であったからである。常に自らを省みる祈りでもあった。

   世間でいう主義・主張・政治的理念とは全く無縁のもので一切関係がなかった。もっと次元の高いものであった。