元自衛官の時想 (3) 非常災害等における初動対処

1. 非常災害発生時の初動対処

    4月14日発生した熊本県熊本地方を震源とする地震について、その動向に目が離せないでいる。私のスマートホンは熊本〜大分地震以来 頻繁に警報が鳴った。余震が本震であったり、余震の連続、被害状況の拡大、死傷者の増加、約16万人の避難指示・勧告など深刻な事態に発展している。
 地震発生時から内閣総理大臣の判断・決心・行動はもとより自衛隊、警察、消防、医療チームの初動対処とその後の対処状況に最大の関心をもつて新聞テレビを注視している。
 国家にとっての最大の機能発揮は、非常災害の場合にどれだけ国家としての能力を発揮し、国民の生命と財産を守れるかである。その要諦は古今東西「初動対処」である。内閣総理大臣・最高指揮官の状況把握・判断決心・明確な命令指示であろう。
 政府は、地震発生後5分後の14日午後9時31分官邸対策室を設置した。その5分後には安倍晋三総理大臣が被害状況の把握や応急対応に全力を尽くし、的確に情報提供するよう指示したとある。
 国家機関を問わず、いずこの組織にとってもトップの能力はここに帰結すると考える。
 
2.首相官邸及び防衛省自衛隊のホ-ムぺージ
 かっての阪神・淡路大震災東日本大震災でも同様であったが、大災害等発生時の初動対処については、首相官邸及び防衛省自衛隊のホ-ムぺ-ジを見ることにしている。

 今回も、首相官邸及び防衛省自衛隊のホ-ムぺ-ジを開いて「熊本県熊本地方を震源とする地震について」と題した、会議・記者会見・報道資料等をそのつどモニタ―している。

 一般報道の新聞テレビは、一般読者・視聴者の立場からは、コンパクトにまとめて報道されている。メディアとしては、当然、読者の関心事に焦点が行くのは止むを得ないことである。
 自衛隊OBの立場からすると、こうした記事は記事として受け止め、一歩突っ込んで、自衛隊の派遣部隊・規模・任務・行動・活動実績などを知りたいと思っている。初動の対処がいつの時点でどのように行われたのかが最大の関心事である。
 この点、「防衛省自衛隊のホ-ムぺ-ジ」の報道資料などは、時系列で列記されており、大まかな概要が分かり、災害状況と派遣部隊の活動状況が脳裏に浮かんでくるものだ。警察、消防のホ-ムぺ-ジも同じであろう。
 本日のTBS報道特集で、報道記者が災害発生後の現地の自衛隊部隊の対応が迅速で住民の信頼感が一層増したと報じていた。迅速的確な初動対処は何事にも共通する哲理であろう。