昭和の航空自衛隊の思い出(255) 人事業務実践アドバイス(14)(15)・課程修了にあたって

1.教育担当第4科長として人事幹部課程学生に語りかけた短い講話

  昭和56年8月17日~58年3月15日までの1年6ヶ月、第3術科学校第1教育部第4科長として勤務し、幹部人事課程学生に折に触れて小話を語りかけた。

 それは、題名を「人事業務実践アドバイス」とし、、❶「人事業務」・❷「ブリ-フィング、報告」・❸「文書要務」・❹「群本部と司令部の人事業務の関係」・❺「任命権行使の補佐」‣❻「人員掌握」・❼「配置管理業務」・❽「異動調整業務」・❾「服務規律の維持向上」・❿「懲戒業務」・⓫「入校業務」・⓬「勤務評定業務」・⓭「個人申告業務」・⓮「人的戦力の管理」・ ⓯「法規の解釈と運用」の15項目とした。 

    課程修了に際しては、「人事幹部課程修了にあたって」を話した。

2.    第4科長として人事幹部学生に語りかけた「人事業務実践アドバイス 」の要点                                       

                       人事業務実践アドバイス

 まえがき

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. この実践アドバイスは、第4科長として56年8月着任以来、人事幹部課程学生に対し、折にふれ人事総務業務について語りかけてきたことを要約したものです。

 人事総務幹部として、当校でその基礎を習得し、直ちに部隊の第一線で人事、総務班長という重責を果たさなければならない学生に対し、一先輩の立場から機会あるたびに15分程度の事例を含めた小話を通じて人事総務幹部としてのものの考え方、あるべき姿、あるいは人事総務の精神なり心を訴えてきましたが、その話のネタが実践アドバイスなるものです。

 第4科の担当する各課程は、諸先輩たちの御努力により逐年充実し教育内容も立派に整備されております。また、人事総務業務についての知識経験といった面では他に優れた幹部がおられますが、第4科長という職責と私たちが先輩から受け継いできた人事総務の精神を次の時代に語り継ぎたいと思う情熱から、浅学を顧みず、自分なりの言葉と砕けた表現で(ときには命令口調で)まとめたものです。

 この実践アドバイスのねらうところは、各業務についての着意事項等をとりあげながら、指揮官の指揮統率とのかかわりと人事の役割や戦力基盤となる人事のあり方等を強調し、単に法規の解釈や運用のみに専念したり、数字をつつくだけのいわゆる事務屋になり下がってもらいたくない、任務遂行のために運用装備等の部門と一体となって活動ができる幹部に育ってほしい。

 指揮官から最も信頼され、部隊で真に役立つ幹部に育ってほしい。また、次の後継者を育てていく幹部になってもらいたいと願望するところにあります。

 

⓮.  人的戦力の管理 

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⓯.  法規の解釈と運用 

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《 「人事業務実践アドバイス」終り  》

3.   人事幹部課程修了にあたって 

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 《 「人事幹部課程修了にあたって」は、 人事幹部課程の各期ともほぼ同じ内容のものを話した。「 人事業務実践アドバイス」を集約したもので、最後にどうしても話したいことを記し、第一線部隊における現場勤務へのはなむけとした。卒業生の配置は基本的には群レベルの人事・総務班長であることから、かって群本部の人事・総務班長をした当時のことも振り返り、自分が実行したこと、数々の失敗や苦い思いの教訓反省、さらには上級司令部の立場から見たことを述べたものである。群は数個の隊から成り立っている。

 後年、多くの卒業生から 「人事業務実践アドバイス」を勤務の資としている旨の声をかけられた。お世辞半分であるが、内容は群本部の人事班長の実務についた折に、誰もが必ず直面する事柄であり、「人事業務実践アドバイス」がそれなりに共感と納得のいくものがあったのではなかろうか。

 ここに盛られた内容は、教程等に書かれていない群本部人事班長の実務経験と指揮官を補佐する幕僚のあり方から導かれるものであった。

 今から37,8年前のことであるが、今日読み返してみて、時代の推移と状況の変化はあるが、時代を越えて、人事業務の基本的な事は同じではないかと思われる。》